「複数のディスクから成るアルバム」について、「物理ディスク一枚につきフォルダ分け&アルバムタイトル末尾にDisc 1.2.3...を付加」ではなく、「一つのフォルダ&アルバムタイトルに集約する」というルールでライブラリを構築する場合、アルバム本来の曲順を維持するためには二つの方法がある。
「トラックナンバー」のタグと「ディスクナンバー」のタグである。
三枚組で、各ディスクに20曲ずつ入っているアルバムだとしよう。
トラックナンバー、すなわち曲順そのものもタグとして付加されるということは遥か昔に述べたとおり。で、このトラックナンバーを使うとすれば、こうなる。
普通なら
「Disc1:1.2.3...」「Disc2:1.2.3...」「Disc3:1.2.3...」
という具合にリッピングするが、そうはせずに、
「Disc1:1.2.3...」「Disc2:21.22.23...」「Disc3:41.42.43...」
こんな風にトラックナンバーを通し番号にする。
ちなみにdBpoweramp CD Ripperならリッピングの際にトラックナンバーを一括で前後にずらす機能があったりする。
こうすることで、ディスクの名残は完璧に消え去り、ディスクナンバーもへったくれもなく、アルバム通しての曲順が完成する。
最も単純かつ確実な方法と言える。
しかし、私のようにデジタルファイルで音源を管理運用し、ネットワークオーディオの妙味を享受している人間でも、こう思っている。
「これはCDからリッピングした音源なんだ」と。
そして「あの最高な曲は3枚目の6曲目なんだ」という記憶も残っている。
CDの存在と記憶を維持しつつ、あくまでアルバムそのものは一つにまとめたい。
そんな時に使えるのが「ディスクナンバー」である。
きちんとディスクナンバーを付加することで、タグのアルバムタイトルを同一にしてもディスク順と曲順がきちんと保たれることは既に検証した。
しかし、例によってFLACだのALACだのWAVだの、いわゆるフォーマットによってディスクナンバーの扱いが異なるという厄介な問題があるようなので、あらためて検証する必要が出てきた。
【音源管理の精髄】で何度も言ってるように、いくらタグを完璧に付加したところで、それが活かされるかどうかは使用するソフト次第である。
「ディスクナンバー」のタグそのものは間違いなく機能する。ただ、それもフォーマットとソフト次第ということだ。
というわけで、検証する。
AIFF、ALAC、FLAC、MP3、WAVの五つのフォーマットについて、三つのサーバーソフトできちんとディスクナンバーが機能するか否か。
まず、大元となる音源。
ロマサガ3の三枚組サントラ。
アルバムタイトルは統一、ディスクナンバーで管理している。
このFLACから、各フォーマットにdBpoweramp Music Converterで変換する。
例によって、アルバムタイトルの末尾には分かりやすいようにフォーマットの名前を加えてある。
検証する音源ファイルはこんな具合に一つのフォルダの中にぶち込んでいる。
本来であればこんな管理の仕方は絶対にしないが、ま、別にタグさえきちんと機能すれば何の問題もない。
では、コントロールアプリにKinskyを使用して、どうなるか見てみよう。
ちなみに、これも腐るほど繰り返し言っていることだが、曲順がアルバム通りに並ばなかったり表示される画像がぼやけたりするのはコントロールアプリが原因ではない。
コントロールアプリはただサーバーの側から送られてくる情報を表示しているだけである。文句を言う相手を間違えてはいけない。
サーバーソフトは例によってTwonky ServerとAsset UPnPとMinimServerを使用した。
アルバム一覧
WAVがこのザマなのはいつものことなので特に気にする必要はない。
ALAC:問題なし、ディスクごとにトラックナンバーが機能
※ALACについてはディスクナンバーが機能したりしなかったりという奇妙な不安定さがある。私も機能しない状況に一度遭遇した。しかし機能しない状況が再現できないので、とりあえず機能すると言って問題ないと思われる。
WAV:Oh...(英語では問題ないが、日本語は死ぬ)
結論。
タグがまともに機能するフォーマットできちんと音源が管理がなされているなら、特に問題なくディスクナンバーは機能する。
FLACなんて死んでも使いたくない&WAVを使わないと死んじゃうという人は、是非Asset UPnPを使うことをおすすめする。
Asset UPnPなんて知らんという人は、AIFFを使うのがいい。
あるいは、素直にCDで聴くのが吉。
念のため、サーバーソフトだけでなくPCの再生ソフトの検証に続く。