SOULNOTE D-2を借りたついでにA-2も借りており、A-2を二台使ってBTLモノラルを試してみた(そのために借りた)。
BTLモノラルモードで使用可能なステレオアンプは色々とあるが、「BTLモノラルプリメインアンプ」として使用可能な製品になると、A-2以外に何かあるのだろうか。
ここで悲報。
あるいは朗報。
私のA-2の天板は派手に鳴く。
近くを歩けばジャラランと鳴き、映画を見ている最中にサブウーファーが唸ろうものならジャラララララララララララランと鳴く。そういう臨場感の演出いらないから。
「そんなに鳴るはずがないからお前んちの床の強度がクソなだけ」と言われたりとか、まぁ色々あったが、今回BTLモノラルのためにやってきたA-2の天板は、手持ちのA-2と同じ条件で設置しても、まったく鳴かなかった。
部屋の隅っこに借りたA-2を置き、近くで足踏みしても天板は鳴かず、遠く離れた手持ちのA-2がジャラランと鳴くありさま。床がどうしたって???
これ……
個体差……
……
…
運の悪さには自信があるとはいえ、こんな個体を見事に引き当てるとは……
……
…
気を取り直して、BTLモノラルの音を聴く。
・再生環境(詳細)
canarino Fils × JRiver Media Center
JCAT NETカードFEMTO
↓
SFORZATO DSP-Dorado(NOSモード・Diretta/LAN DACモード)
↓
SOULNOTE A-2(BTLモノラル×2)
Dynaudio Sapphire
BTLモノラルモードでは出力が激増する(400W/8Ω)ことから、もっとゴリゴリしてズンズンくるのだろうかとなんとなく考えていたが、そういうことではなかった。
確かに駆動力は向上する。間違いなく向上する。
しかし、それは低音の量感が増すとか中域の押し出しが強まるとかそういう傾向ではなく、「あらゆる音が軽々と出てくる」という意味において、である。
まるで力への意志が遊ぶ子どもの聖なる肯定に変じたかのようだ。
とにかくノンストレス&スムーズな出音であり、肩の力の抜けた自然体の印象となる。
相対的に馬力感、熱量感、「力いっぱいエンジンをぶん回して大地を疾走する」感覚は後退する。むしろ飛ぶ。
高音の伸びと低音の沈み込みにも良い効果が感じられる。滲みがいっそう減って、音が伸びていく様子も沈んでいく様子もよくわかる。
凄まじいのは「音量を上げた時の余裕」で、これはA-2の単体使用を完全に圧倒する。
普段よりもちょいとボリュームを上げただけで背筋がゾクゾクして鳥肌がゾワゾワするような快感がほとばしる。私も普段からもっと大きなボリュームで聴くべきなのか……?
「いつもの音からどう変わるのか」を聴くために、DAC以前はいつものDSP-Doradoのシステムとしたが、やっぱり気になったのでD-2とも組み合わせてみた。
……
…
Dynaudioならではの翳りはそれなりに残しつつも、かつてSOULNOTEの試聴室で浴びた熾烈猛烈壮烈苛烈な表現となった。あの音が好きならこれ以外の組み合わせはない、と思える強烈無比な説得力。ディナってこんなに快活だったっけ?
A-2の生きた音は好きだ。
そしてA-2の音を活かしたままさらなる向上を望む時、なにかしらプリアンプを入れるのがいいのか、それとも、A-2をもう一台入れるのがいいのか。
とりあえず後者を選んで大きく外すことはあるまい。
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