スピーカーに関しては、夢を叶えてDynaudio Sapphireを使っている。
度肝を抜かれ、もうひとつのリファレンスとしてParadigm Persona Bも導入した。
再生系に関してはネットワークオーディオの可能性を追求する過程で、相当な投資をしてきた。
それらに比べると、アンプに関しては、システムにおける優先順位という点で、ずっと割を食ってきた感は否めない。
……およそ三年に一度、私は「アンプ換えたい病」の発作に襲われるのだが、今回は少々それが早かったらしい。
というわけで「次」も見据えて、SIMAUDIO MOON 740P / 860A v2をお借りした。
ちなみにMOONのアンプは海外のオーディオショウにおいてDynaudioのスピーカーとほぼ鉄板の組み合わせとなっており(それこそ新confidenceの発表でも使われていた)、Dynaudioを愛する身として、MOONのアンプを聴くのは遅すぎたくらいである。
【2020/09/13追記】
Sapphireの潜在能力を余すところなく引き出しているという強烈な実感……試聴機の音を聴いてしまったら、もう元には戻れなかった。
基本的に私はシルバーとブラックがあるなら前者を選ぶのだが、MOON製品についてはツートン仕上げが一番しっくりくるのでそれを選んだ。860A v2のボードにはハードメープルを採用。Persona Bと同様に、「カナダのメーカーの製品にハードメープルが合わないわけがない」という至極単純な理由である。
「Sapphire……お前……こんな音を出せたのか……!」という日々の感動にくわえ、Persona Bとの組み合わせは、いわば究極のカナダペアとして透徹した凄みも見せる。
あまり価格で語るものではないとは思うが、ついに単体価格でかつての「夢」であったSapphireを越える機器を導入したことで、私のオーディオ遍歴もいよいよ次の段階に至った感がある。
気付けばずいぶん遠くまで来てしまったが、その過程で得られたもの、これから得られるものを考えれば後悔はない。