と、いうわけでiPad Airが発売されたので、例によって速度検証を行ってみた。
1536×1536のアルバムアートの群れに対してどこまで早くなったのか、お手並み拝見である。
性能がどうのこうの、ベンチマークがどうのこうの、そんなものはどうでもいい。
実際に使ってみてどうなのか、それ以外のことはどうでもいい。
比較用として、iPad3での検証記事はコチラ。
●検証環境
無線LANルーター:Buffalo WZR-HP-G450H
NAS:QNAP TS-119 firmware version 4.0.2
サーバーソフト:TwonkyServer version 6.0.39
レンダラー:MAJIK DS-I、MediaMonkey Renderer(DiXiMで使用)
コントローラー:iPad Air version 7.03
各コントロールアプリのバージョンは全て最新
※アプリは全てiPad用、「ChorusDS HD」は以下「ChorusDS」と表記
●検証方法(画面は例としてChorusDS)
※基本的に2012年2月の時と同じだが、当時からライブラリがだいぶ様変わりしているので一部変更。ちなみに、CelticとProgressive Rockに含まれるアルバムにタグ付けられたアルバムアートの解像度は全て1536×1536であり、これが「考えられる最も厳しい条件下での速度検証」たる所以である。
①アプリを起動(起動~レンダラーやサーバーを見つける時間も含む)
②TwonkyServerのナビゲーションツリーで『ジャンル/アルバム』を選択
③ジャンルで『Celtic』を選択
④18枚のアルバムのアルバムアートが“全て表示された状態”で、リストの一番下のアルバムを選択
※↓が“全ては表示されていない”状態である
⑤アルバム内の全曲をプレイリストに入れ、再生
⑥音が出たのを確認してプレイリストをクリア
⑦『ジャンル/アルバム』まで戻り、今度は『Progressive Rock』を選択
⑧今度は65枚のアルバムアートが全て表示された状態で、リストの一番下のアルバムを選択
⑨アルバム内の全曲をプレイリストに入れ、再生
⑩音が出たのを確認してプレイリストをクリア
プレイリストから曲が消え、音が止まったのを確認して終了
日常的に行っているコントロールアプリの操作というものを考えて、以上の手順を三回、その都度ホームボタン2回押しからアプリを終了させたうえで行う。
●この検証でわかること
速度!! なのだが、より詳細には以下の要素である。
・レスポンス――ボタンを押しても反応が遅ければ当然時間がかかる
・インターフェースの洗練度――指の運びが面倒だともちろん時間がかかる
・操作の簡潔さ――再生までの手順が多かったりするとやっぱり時間がかかる
・選曲時のアルバムアート表示の速さ――表示にもたつくとずいぶん時間がかかる
●この検証ではわからないこと
・インターフェースに表示される情報量
・リストのスクロールのなめらかさ
・再生時のアルバムアートの表示バリエーション
・アプリそれぞれの面白機能
・もっとこう微妙な感覚
この辺は個別詳細をご覧いただきたい。
●検証結果
『Chorus DS』
1回目:58.2秒
2回目:53.9秒
3回目:56.6秒
平均:56.7秒
フリーズ等無し
『SongBook Lite』
1回目:66.6秒
2回目:53.4秒
3回目:49.3秒
平均:56.4秒
フリーズ等無し
『SongBook’11 UPnP』
1回目:81.0秒
2回目:51.1秒
3回目:46.9秒
平均:59.7秒
フリーズ等なし
『Kinsky』
1回目:70.9秒
2回目:74.9秒
3回目:72.3秒
平均:72.7秒
フリーズ等無し
『DiXiM DMC』
1回目:73.6秒
2回目:64.1秒
3回目:70.1秒
平均:69.3秒
フリーズ等無し
『PlugPlayer』
1回目:59.4秒
2回目:59.4秒
3回目:56.4秒
平均:58.4秒
フリーズ等無し
『eLyric』
バージョンが変わり(2.0.9)操作不能に
『LUMIN App』
1回目:27.8秒
2回目:25.3秒
3回目:27.9秒
平均:27.0秒
1位:『LUMIN App』 27.0秒
2位:『SongBook Lite』 56.4秒
3位:『ChorusDS』 56.7秒
4位:『PlugPlayer』 58.4秒
5位:『SongBook’11 UPnP』 59.7秒
6位:『DiXiM DMC』 69.3秒
7位:『Kinsky』 72.7秒
使用不能:『eLyric』
……という結果になった。
LUMIN Appの圧勝には変わりなし。LUMIN Appの計測時間がほとんど変わらないのは、わたしの運指の限界によるものだと言える。
他のアプリも見事に速くなっている。特筆すべきはPlugPlayerとSongBook'11 for UPnPであり、特にSongBook'11 for UPnPの2回目・3回目に関してはChorusDSとSongBook Liteを上回っている。2位~5位に関してはほとんど差がなくなった。
一方、振るわなかったのはKinsky。iPad3に比べれば速くなったが、再び計測可能になったDiXiM DMCにも劣るという結果になってしまった。
今回の計測の印象は、『全体的に速くはなったが、1536×1536という高解像度を快適にブラウズするにはまだ不足!』というところか。
LUMINは相変わらず爆速だが、他のアプリに関してはかつての「とりあえず何か画像貼り付けておけばいいや」というレベルで済ませていた時代の速さと比べればまだまだ、である。
ただし、iPad Airになり、「アルバムアートの表示はそれなりに時間がかかるが、スクロールその他の動作全般は見違えるようにスムーズになった」ことは明記しておく。
あとは無線LANの速度を上げたり、アプリの64bit化を待つくらいか。
ちなみに、2013年11月4日時点でライブラリに入っている607枚のアルバムのアートワークをすべて表示するのにかかる所要時間は、
LUMIN App:7.7秒(読み込み時間ゼロ、怒濤のスクロールにも遅延&ひっかかり皆無)
ChorusDS:123.2秒
コレを見ると、LUMIN Appも含めて、iPad3から間違いなく早くなったのがわかる。が、圧倒的な差は健在のようだ。