海外のオーディオ情報メディアWhat Hi-Fi?が、MQAが経営破綻したと報じている。
MQA is going into administration - What Hi-Fi?
MQA Ltd, the company behind the MQA digital music technology, is going into administration.
https://www.whathifi.com/news/mqa-is-going-into-administration
管財人の選任についての官報があり、MQA本国サイトのページ下部にも同様の表記があるため、間違いないものと思われる。
4月5日にe-onkyoからMQA音源の配信終了がアナウンスされたのは、今思うとあまりにもタイミングが良すぎた。
Qobuzとの統合のために、e-onkyoでMQAの配信を終了すること自体は以前から既定路線だったはずだが、憶測の域を出ないにせよ、それを今回のMQAの報にあわせて発表したということも考えられる。
また、MQAはソフトとハードの両方を縛るクローズドな技術であり、エンコードとデコードはブラックボックスである。
つまり、どれだけユーザーや業界へのメリットを強調したところで、MQA音源はMQA Limitedの掌の上でしか真価を発揮できない。そしてもし、将来的にMQA Limitedが「MQAやめました、もう知らん」となったら、いずれMQA音源に折り畳まれた情報にアクセスすることは不可能になる。
MQA音源は対応環境でなくてもCD相当の品質で再生できるのでご安心ください?
「折り畳まれた情報に価値がある」と言って売っていたのに?MQAで音源を買うことは、最初から「大元のデータから変質した音源」を買うことであり、「CDをMP3でリッピングした。しかし、そのCDは既にない」という状況に等しい。
「普遍的なライブラリ」という考え方と、MQAは絶対に相容れない。
だから言ったのに。
【2023/04/12追記】
TIDALのCEOが「FLACで“ロスレス”ハイレゾストリーミングを導入予定」と明かした。
【追記おわり】