音楽再生ソフト「Roon」がハーマンに買収された。
HARMAN Acquires Roon, a popular Multi-Device, Multi-Room Audio Technology Platform
ハーマンはRoonを単なる「再生ソフト」以上に「プラットフォーム」として評価していることが見て取れる。まあそりゃそうだろう。
Roonにはオーディオ業界の中で独立した立ち位置を維持してほしかった、というのが私の偽らざる思いである。たとえ今回の買収が、経営事情に基づく現実的な判断だったとしても。
リリースの中で「独立性を維持」という表現が使われているが、私たちはありとあらゆる領域でそれがアテにならない現実を目にしてきている。
今後、Roonの開発や展開方針にハーマンがなにかしらの、オーディオファンからするとあまりありがたくない介入を行う可能性は決してゼロではない。また、特定のオーディオメーカーがRoonを手中に収めることによって、他のオーディオメーカーとの連携・協業が大前提となるRoon Readyプラットフォームの在り方が変貌することだって考えられる。
無論、これらの懸念は単なる杞憂かもしれないし、むしろ杞憂であってほしい。
私が初めてRoonを紹介してから既に8年以上が経つ。音楽鑑賞の未来を強く感じさせたRoonは、今では「現代のオーディオ」の象徴ともいえるものになった。
100%今まで通りとはいかないだろう、というのは現実的に理解しつつも、Roonがこれからもオーディオファンにとって素晴らしいソフトであり続けることを願うばかりだ。
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