必要不可欠なハードウェア。機器類。
各論に走ってしまうと全体像が見え辛くなるので、まずはこの図を示す。
ネットワークオーディオの三要素を意識しつつ、見ていってほしい。
○PC
いきなりPCである。
「ネットワークオーディオにはPCが不要なんじゃなかったのか! いい加減にしろ!」と思うかもしれない。
しかし残念、「ネットワークオーディオにはPCが不要」なんて言説は大嘘である。PCが要らなくなるのは、ライブラリの構築からシステムの構築から何から何まで終わった最後の最後、実際に音楽を再生する瞬間になってようやくである。
PCがなければ、CDをリッピングすることも、ハイレゾ音源を購入・DLすることも、音源を管理することも、ライブラリを構築することもできない。
単機能であれば備える機器はあるが(例えばOliveのプレーヤーとか)、上記の行程を完全にこなせる機器はPCしかない。どれだけ機器が「PCレスの利便性」を謳ったところで、結局PCが必要になると思っていい。
・どんなPCがいいのか
何でもいい。
ただしディスクドライブは必要。
デスクトップでもノートでもいい。
WindowsでもMacでもLinuxでも何でもいい。
要は、CDをリッピングできてハイレゾ音源を購入・DLできて音源管理/タグ編集ソフトを使えるならどんなPCでも構わない。
PCそれ自体を再生プレーヤーとして使い、高音質を目指す場合は色々と気にするべきことが出てくるようだが、残念ながら私には経験値がほとんどない。
ちなみにMacも使ったことがないのでよくわからない。残念!
○無線LANルーター
ネットワークオーディオの“ネットワーク”の部分に直接的に関わってくるのがこの無線LANルーター。時と場合によってはハブを追加する。
PC、サーバー、ネットワークオーディオプレーヤーの接続は基本的に有線、LANケーブルで行う。ノートPCを使っている場合も、安定性や速度の問題で出来ることなら有線にしたほうがいい。ではなぜ無線LANが必要かというと、スマホ/タブレットと接続するためである。
これもPC同様、欠かすことはできない。
そもそもルーター? ハブ? という人にはこのページが非常にわかりやすい。
・どんな無線LANルーターがいいのか
速ければ速いほどいい。
とにかく速いに越したことはない。
PC⇔サーバーのデータの移動、ライブラリの音源をコントロールアプリが表示するために必要な時間など、地味に効いてくる部分である。
ケチらずに速い製品を買おう。
え? 高音質ハブ?? ハブを使うと音が良くなる??? はぁ、そうですか……そういうのはやることを全部やった後で気にすればいい。
○スマホ/タブレット
「快適な音楽再生」を実現するためには必須のアイテム。
何度も繰り返しているとおり、ネットワークオーディオの本質とは『コントロール』であり、ネットワーク越しに再生機器からコントロールの部分を独立させることにある。で、再生機器から切り離されたコントロールを担うのが、このスマホまたはタブレットというわけである。
数百数千のアルバムからなるライブラリを、ネットワークオーディオプレーヤーの小さな画面と貧弱な操作系で縦横無尽に駆け巡るのは無理がある。
・どんなスマホ/タブレットがいいのか
iOSでもandroidでも構わない。双方に素晴らしいコントロールアプリがある。
高性能であれば高性能であるほどいい。マシンスペック的にも解像度的にも。マシンスペックが高ければアプリの動きが高速化するし、解像度が高ければより美しいアルバムアートを愛でられる。
とりあえず手持ちのスマホを使えば事足りる。
○ネットワークオーディオプレーヤー
あくまでオーディオ機器としてのネットワークオーディオプレーヤーが欲しいとなれば、それはCDプレーヤーやBDプレーヤーのように機器を購入することになる。
PCの再生ソフトをネットワークオーディオプレーヤーとして使うからいいや、となれば、別に必要ない。
意外かもしれないが、ネットワークオーディオに機器としてのネットワークオーディオプレーヤーは必須ではない。
・どんなネットワークオーディオプレーヤーがいいのか
予算次第。
とりあえずこの記事を参照。
○NAS
ネットワークオーディオをするうえで、NASは必須ではない。
とはいえ、あれば便利なのは確か。
・どんなNASがいいのか
価格と容量との兼ね合い。そして安定性が高いもの。
ちなみに、ハードウェアとしてのNAS、あるいはPCよりも、それらをサーバー足らしめているサーバーソフトの方が遥かに重要である。
大切なのは機器そのものではなく、それらが果たす役割である。
それを忘れてはいけない。