spotifyに加えて最近ではApple MusicやらAWAやら、音楽ストリーミングサービスがますます広がっている(ように見える)。
確かに便利だし、様々な音楽との出会いを得られるのは素晴らしい。
それをわかったうえでなお、ガチのオーディオファンからすれば、圧縮音源を聴かされる時点で本気にはなれそうにない。
そんな声に応えるのがTIDALにQobuz。
CD相当、非圧縮でのストリーミング。少なくともCD相当の品質が担保されるのなら、私をはじめ多くのオーディオファンは音源として納得する。
ハイレゾでのストリーミングも、技術の進歩やインフラの整備でいずれは現実的になっていくはず。
というわけで、ディスク、ダウンロードしたファイルに続く第三の音源として、オーディオ業界においても「ストリーミング」は存在感を増しつつある(ような気がする)。
LINN DSやらLUMINやら、まともなネットワークオーディオプレーヤーはさっさとTIDALやQobuzに対応していっていることからも流れが伺える。
それでは、ネットワークオーディオのシステムで音楽ストリーミングサービスを楽しむために、何か気を付ける必要はあるのだろうか。
結論から言えば、何もする必要がない。
これはネットワークオーディオの三要素と、それぞれの役割を端的に示した図である。
これがストリーミングサービスだとどうなるかと言うと、こうなる。
ストリーミングサービスを使うにあたり、システムに何かしら変更を加える必要はない。
単に「音源の置き場所」が「自分の家」から「どこか遠く」に変わるだけ。
プレーヤーとコントロールはそのまんま。
KazooにせよLUMIN AppにせよBubbleUPnPにせよ、コントロールアプリはストリーミングサービスを単に「サーバー/ライブラリのひとつ」として扱うのみ。
結局のところ、ストリーミングサービスを使おうがローカルのサーバーを使おうが、コントロールアプリの完成度が酷ければ快適な音楽再生など夢のまた夢であることに変わりはない。
逆に、既にネットワークオーディオを実践して快適な音楽再生を実現しているユーザーは、現状の快適さを一切損なうことなく、ストリーミングサービスによってさらに数千万曲の音源の恩恵を受けられるということになる。
強いてローカルとストリーミングの違いを言うとすれば、ストリーミングサービスのサーバーの中身は「自分以外の誰かが構築したライブラリ」であるため、音源のブラウズが「自分ルールに基づいて完璧に仕上げられた自分専用ライブラリ」のようにはいかない、ということくらいか。
あとはクラウドということがネックになって音源の表示速度その他の快適性が損なわれるとかそういう。
もしかしてもしかしたら、将来的にはDLNAやらUPnPやらに対応せずもはや「ローカル」の音源を相手にしない、純粋にストリーミングサービス専用のプレーヤーが主流になるかもしれない。
その日が来れば、晴れて私の書いてきた音源管理に関する内容の多くは無用の長物と成り果てる。
ま、それもまた善し。
ネットワークオーディオの三要素――『サーバー』・『プレーヤー』・『コントロール』