ハード編の続き。
かねてから言っている通り、ハードとソフトが合わさってのサーバーである。
しかし、いわゆる“高音質NAS”とされる製品において、着目されるのはファンレスであるとか、高品質のHDDを使っているだとか、アルミ筐体であるとか、そういったハード的なことばかりで、サーバーソフトの話はまったくと言っていいほど出てこない。別に音質面に限った話ではなく、使い勝手を決定付ける存在であるにも関わらず、である。
これでは片手落ちもいいところだ。
しかし、もしかしたら、“サーバーソフトでは音は変わらない”のであり、メーカーはあえてそこに言及していないだけなのかもしれない。
検証してみないことには何も始まらない。
というわけで、サーバーソフトの検証である。
○検証したサーバーソフト
TwonkyMedia 7.2.7
Asset UPnP 4.2
MinimServer 0.8.1
今回はサーバー“ソフト”の検証なので、ハードはQNAP TS-119に統一し、おなじみ三つのサーバーソフトを用いて音質比較を行う。
ちなみに、これら三つのサーバーソフトには以下のような特徴がある。
TwonkyMedia:コレの中身
Asset UPnP:かつてLINNが推奨していたRipNAS Statementの中身
MinimServer:LUMINが公式に推奨
どれもなかなかに箔が付いている。
○再生環境・検証音源
ハード編と同じ。
○検証
TwonkyMediaから……
Asset UPnPから……
MinimServerから……
さぁどうだ。
QNAP TS-119からしてみれば、「何がしたいんだコイツ……」という感じだろうが、悲しいかな、オーディオマニアとはそういうもんなのだ。
……
…
変わらない。
僅かに、本当に僅かに、Asset UPnP≧MinimServer≧TwonkyMediaという気がしないでもないが、それも気のせいや誤差の範囲で片付いてしまうレベルでしかない。
○結論(ハード編と合わせて)
サーバーで音は変わる。
ハードで変わる。
そのため、オーディオ的な意味で筐体や電源を作り込んだNASが音質的な優位性を持つというのは確かに思える。
ただ、何故変わるのかと聞かれても答えに窮する。色々と理由を想像することはできても、技術者ではない私は単にそう聴こえるとしか答えようがない。とにかくオーディオとは恐ろしい。
こうなるとN1Zを聴いてみたくもなるが、さすがにNASの試聴機なんてものはないか。
一方で、サーバーソフトに有意な音質差を見出すことはできなかった。
逆に、これは私にとっては非常にありがたい。
サーバーの使い勝手を決定付けるのはサーバーソフトであり、音質に違いがないとわかれば、自分にとって使いやすいソフトを気兼ねなく使うことができる。
モノとして、ハードとして音質を追求できる余地があり、ソフトによって音質とは関係なく自分なりの使い勝手を追求できる。
サーバーの可能性もまだまだありそうだ。