そんなわけで、やろうと思えば「家のCoreからオリジナルフォーマットでストリーミングした音源を使って出先で試聴する」なんてことも不可能ではない。
iPhoneとLightning - USBカメラアダプタとiFiのnano iDSDを使って実際にやってみた。
Roon ARCの設定で「Automatically pick best quality」のチェックを外し、「WiFi」「Cellular」ともに「Original Format」を選択。「Volume leveling」をオフ。DSDもそのまま聴きたいならDoPに設定する。
これで、スマホの後段に然るべき機器を繋げれば、外出先にWi-Fiがあろうとなかろうと、Roonを通して手持ちのすべての音源をオリジナルフォーマットでのハイレゾ/ロスレスストリーミングで聴けるようになる。
ただし、電話回線で使うと確実に通信量がやべーことになるので要注意。どっかで真剣に聴く用事があるなら、あらかじめ試聴曲はダウンロードしていこう。
というわけで、実際に聴いてみる。Wi-Fiではなく電話回線(4G)になっていることにも注目。
なんかDSD再生時のシグナルパスの表示バグってんな?
nano iDSDのインジケーターの色からも、問題なくDSDが再生できていることがわかる。
Roon ARC以前にも、こういういわゆる「プライベート・ストリーミング」を実現するソフトがなかったわけではない。しかし、なにやら複雑な設定だのなんだのを乗り越えてまでその機能を使いたくなるような、そういうものではなかったように思う。
それに対してRoon ARCは「既にRoonを使っていれば」設定らしい設定もほとんどなく追加で使えるようになる。そのうえ、自前の音源とストリーミングサービスの音源が統合されたRoonならではの「音楽の海」に外出先からもアクセスできるという、他と隔絶した魅力もある。
はたしてこの記事で紹介したような、出先でも極限まで音質を追求する需要がどこまであるのか私には判断できない。とはいえ、少なくとも「Roon ARCはそれが可能である」という点は、おおいに強調されてしかるべきだろう。