「opticalModule Deluxe」はSONOREのオーディオ用光メディアコンバーター。
opticalModule Deluxeは「Deluxe」の名が示す通り、SONOREの前モデル「opticalModule」の後継機ないし上位機に当たる。
本機はRJ45ポートとSFPポートを搭載し、通常のメタルLANケーブルを用いた接続を、光ファイバーケーブルを用いた光LAN接続に変換する。
本機を使うことで、例えばSFPポートを持たないハブを使いながら、ネットワークプレーヤーと光LAN接続を行うことが可能になる。
外観・仕様
opticalModule Deluxeは前モデルに比べて大きくなったが、それでもサイズは幅11cm × 奥行き11.2cm × 高さ3cmとごくコンパクトで、ラックの空きスペースに容易に設置可能。ただ、重量が軽いため、接続するケーブル次第では容易に浮く&動く場合があり、なにかしら対策する必要性も感じる。重りでも置くか。
また、前モデルが機器の前後に端子があったのに対し、本機はバックパネルに集約されたため、使い勝手も向上した。
仕様面では、opticalModule Deluxeは1000/100/10Mbpsに対応し、前モデルを使用できなかった100Mbpsのシステム(LINNのDSとかSFORZATOの旧世代モデルとか)でも使用可能になった。
なお、本機には外部電源としてiFi audio iPowerと、光ファイバー用SFPモジュールが付属する。凝りたい人は別途アナログ電源を組み合わせるなど発展の余地がある。
単に「光メディアコンバーター」というだけなら、もっともっと安い製品も(それこそ数千円程度で)あるが、「オーディオメーカーが、オーディオのために、オーディオグレードを志して作った」というところに本機の存在価値がある。
音質
opticalModule Deluxeの効果を検証すべく、2種類のテストを行った。
まずひとつめは、「ハブのSFPポートを使うよりも、オーディオ用光メディアコンバーターを使った方が高音質なのか?」ということの検証。
私は現在、DELAのオーディオ用ハブ「S100」を使用している。S100は通常のLANポートにくわえてSFPポートを搭載しているため、同様にSFPポートを搭載しているネットワークプレーヤーを使っている場合、ハブとネットワークプレーヤーの間を光で直結できる。
ここではネットワークプレーヤー(トランスポート)としてSONOREのSignature Rendu SE opticalを使い、opticalModuleの新旧比較も含めて、以下の3パターンで比較を行った(動画はそれぞれの空気録音へリンク)。
![](http://kotonohanoana.com/wp-content/uploads/2021/03/20210306SONORE-opticalModule-Deluxe07.jpg)
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①-2、旧opticalModule の時点で、S100のSFPポートを使った場合と比べて想像以上に差があった。特にS/N感の違いが大きく、微小な音の描写がかなり改善される。
①-3、opticalModule Deluxeでは、旧モデル同様S/N感やディテール描写の改善に加えて、レンジ感、音の厚みにも向上が感じられる。
総じてS100のSFPポートとopticalModuleの差は大きく、「もしかしたらハブにSFPポートって要らないんじゃ……」と一瞬思ってしまったほど。
もちろん、機材を増やさずシンプルに光LAN接続を可能にするという点で、ハブにSFPポートを搭載することの意義はあるが、さらに上を目指すなら、opticalModuleのようなオーディオ用光メディアコンバーターを別途使用することはおおいにアリだと感じる。
これもまた、いわゆる「機能分散による音質向上」のひとつの形だといえる。
続いて二つ目のテストは、「通常のLAN接続のネットワークプレーヤーでも、opticalModule Deluxeを2台使った光アイソレーションによる音質向上は得られるか」ということの検証。
これでじゅうぶんな効果が得られれば、光LAN接続が可能な機器がないシステムでも、opticalModule Deluxeを導入する意義が生じる。
ここではスフォルツァートのネットワークプレーヤー「DSP-Dorado」を使い、opticalModule Deluxeのあるなしで比較を行った(動画はそれぞれの空気録音へリンク)。
![](http://kotonohanoana.com/wp-content/uploads/2021/03/20210306SONORE-opticalModule-Deluxe10.jpg)
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雑味が低減され、音の輪郭が研ぎ澄まされる印象があるなど、opticalModule Deluxeで光アイソレーションを行うことの効果自体は感じられる。
ただ、効果の大きさは、例えばSignature Rendu SE opticalをメタルLAN接続と光LAN接続で比較した時よりもずっと小さく、「光LAN接続は機材と光で直結してナンボ」という認識が強まった。
まとめ
現在、ネットワークオーディオのジャンルでは「光LAN接続」に注目が集まっている。私自身、LUMIN X1とかDiretta Aperitivoとか、いろいろなところでその効果を実感している者の一人である。
ただ、「光で繋げばなんでもいい」かと言われればそうではなく、やはり「使いどころの見極めが大事」だと感じる。
そして、opticalModule Deluxeはオーディオ用ハブと比べてもなお、「光LAN接続」をより高いクオリティで実現する製品として、ネットワークオーディオに本気で取り組んでいる人にとって注目に値する。
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