【ネットワークオーディオ実践編】「プレーヤー」を選ぶ

 この記事では、ネットワークオーディオで使う「プレーヤー」を選ぶ際の指標について述べる。

 そもそもネットワークオーディオにおける「プレーヤー」とは何か、ということについては、以下の記事で確認してほしい。
 

ネットワークオーディオの三要素――『サーバー』・『プレーヤー』・『コントロール』

ネットワークオーディオにおけるプレーヤーの役割

DLNAにおけるデバイスクラスについて
 
 

 ネットワークオーディオにおける「プレーヤー」は、大きく二つに分けられる。
 

●いわゆるオーディオ機器としてのネットワークプレーヤー
(AVアンプなど、機能としてネットワークオーディオに対応するものも含む)

●PC
(実際にプレーヤーの役割を担うのは例えばfoobar2000やMediaMonkeyといった再生ソフト)
 
 

・導入のハードル

 新しくオーディオ機器を買うなら、相応の初期投資にくわえて、物理的なセットアップや結線といった作業も必要。

 PCについては手持ちのものを使うとして、再生ソフトについては(インターフェースや音質面で気に入るかどうかはさておき)無料のfoobar2000があれば事足りる。JRiver Media Centerといった別の再生ソフトを買うにしても、別にオーディオ機器を買うよりは遥かに安上がりである。セットアップは基本的にPCの操作画面上で設定が完結する。
  
 

・音質、あるいはやり込みの余地

 ネットワークプレーヤーの「オーディオ機器」としての完成度はPCの比ではない。素の音質で優位なのはもちろん、オーディオ的な追求の余地も多い。

 PCは、汎用のPCを使っているなら言うまでもなく、いわゆるオーディオ用のPCを組んだところで、ハードウェアとしての完成度で「オーディオ機器として作られた」ネットワークプレーヤーに並ぶというのは難しい。ただし、内部で走る再生ソフトには数多くの選択肢があり、ソフトウェアの自由度という大きな可能性がある。

 ちなみに、「究極のネットワークプレーヤー」と「究極のオーディオ用PC」は限りなく近いものであると私は思う。音質に配慮したハードウェアを持ち、内部では何らかのソフトウェアが走ってデジタル音源を処理していると考えれば、行き着くところは重なってくるはず。
 

 極端な話、ネットワークオーディオの方法論において、「プレーヤーがオーディオ機器か、PCか」は大した問題ではない

 あくまで従来のオーディオシステムとの調和を図るのならば単体ネットワークオーディオプレーヤーを選択すればいいし、PCをいじくり回してその可能性を追求することに楽しみを見出すのならPCを選択すればいい。

 既にライブラリは出来上がっているので、どんなプレーヤーを選んでもいい。
 

 ただし、実際に音楽再生におけるユーザビリティの大部分はプレーヤーではなくコントロールアプリが握っている

 「よく出来たコントロールアプリが存在する」ということもまた、プレーヤー(PCの場合は再生ソフト)を選ぶ際の重要な指標となる
 
 

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