サイバーシャフトという会社がある。
オーディオ、アマチュア無線など個人向けから大学、研究機関までご使用いただける高精度発振器のオリジナル製品を、研究開発・製造販売しています。
OCXOからルビジウム発振器まで、長年の研究のノウハウを結集して作り込みを行った製品に仕上げております。http://www.cybershaft.jp/
というわけで、サイバーシャフトは必ずしもオーディオメーカーというわけではないにしても、「高精度なクロックを活かす舞台」としてデジタルオーディオは適しているようで(?)、以前からオーディオ向けのクロック製品を送り出してきた。
世知辛い話でアレだが、10万円前後で購入可能というのは、オーディオ用マスタークロックとしては相当手頃な価格帯である。それでいて、どの製品も位相雑音には強烈な数値が並んでいる。
そして今回、色々と縁があって、サイバーシャフトの「超高精度OCXO 10MHzクロック Ultimate」の「OP12」と「OP18」を試す機会があった。この「OP○○」というのが、位相雑音特性(Offset 1Hz)の仕様を表している。もちろん、価格も変わってくる。位相雑音特性(Offset 1Hz)はOP12が-112dBc/Hz以下、OP18が-118dBc/Hz以下となる。
私が使っているSFORZATO DSP-Doradoには外部クロック入力がある……というより外部クロックの使用が前提なので、単体マスタークロックの性能を確かめるにはうってつけである。
DSP-Doradoには小さな外部クロックが付属する。
プレーヤー部から電源をもらう仕様のちっちゃなクロック(そしてクロック発振器自体は前モデルであるDSP-03と同じもの)だが、そもそもクロックに並々ならぬこだわりを持っているSFORZATOのクロックであることに違いはなく、そんじょそこらの単体マスタークロックに負けるとも思えない。
以前に同じSFORZATOの単体マスタークロックをDSP-Doradoと組み合わせたことはあるが、他社の製品と組み合わせたことはない。
サイバーシャフトの単体マスタークロックがどのような変化をもたらすのか、私としても興味津々だ。
これがクロックの外観。前モデルと比べるとだいぶオーディオ機器的な雰囲気が増している。剛性感もなかなか。
脚部はアルミダイキャストの三点支持で、しっかりとした厚みがある。
背面。出力インピーダンス(50Ω/75Ω)を切り替えられる。SFORZATOのプレーヤーのクロック入力は50Ωである。
なお、フロントパネルと背面に「OP○○」の記載がある。
プレーヤーとの接続には同社の「50ΩBNC セミリジッドケーブル」用いた。
「セミリジッドってなんだべ」と思っていたら、こういうことだった。
後ろに隠れて見えないが、空中配線の強い味方!
なお、サイバーシャフトの製品はクロック・ケーブルともに、徹底した品質管理の証拠となる、各種試験成績書や製品グレード証明書が添付される。
これらに記載される諸々の情報が私の理解を越えていることはさておき、製品に対する強烈なこだわりは間違いなく伝わってくる。
あとは、そのこだわりが、音にどう効くか。