『普遍的なライブラリ』とは、
・大元となる音源(CDやダウンロードしたファイル)からの情報欠落がない
・将来に渡ってタグの編集やフォーマットの変換に対する可逆性・柔軟性を備えている
→非可逆圧縮のフォーマット、例えばmp3はこの時点でNG
・すべての音源にアルバムアートを含む必要なタグが完全な形で登録されている
→タグを使えないフォーマットは最初からNG
・どのようなハードウェア/ソフトウェアであっても等しく機能する
→限られたハード/ソフトでしか扱えないフォーマットは使わない
以上の要素を完璧に満足するライブラリである。
また、普遍的なライブラリとは、構築にあたって自分自身の意思を込めることで、同時に『自分にとって理想的なライブラリ』にもなる。
この普遍的なライブラリを構築し、適切に管理・メンテナンスしていけば、再生ソフトを替えようが、システムをUSB DACからネットワークオーディオプレーヤーに替えようが、ネットワークオーディオプレーヤーからUSB DACに替えようが、『使う音源は同じ』のため、手間も問題も生じない。
だからこそ、最初に『自分にとって良いライブラリとはどのようなものか』を考え、ライブラリ構築における『自分なりのルール』を作ることが重要になる。
このルールを遵守する限り、ライブラリが完全に破綻してCDのリッピングを全部やり直す、なんて恐ろしい事態に遭遇せずに済む。
WAVとFLACではどちらが音がいい、というような問題も、まずはこの普遍的なライブラリを構築し、そこからそれぞれのフォーマットを得て、比較試聴する機会を作るという風に考えればいい。
WAV⇔FLAC⇔ALAC⇔AIFFは、相互に、いつでも変換可能である。
iPodや携帯音楽プレーヤーで使う音源も、そこから変換して作ればいい。
いわゆるPCオーディオだろうが、ネットワークオーディオだろうが、音源をデジタル・ファイルとして管理運用することに変わりはないので、この普遍的なライブラリを構築するのが一番の手間なのは間違いない。ただし、これさえやってしまえば、あとは維持管理にかかるわずかな労力で済む。
そして、どのような再生ソフト・どのような手法を使おうが、まさに『自分にとって理想的なライブラリ』をもって、快適至極な音楽再生を手に入れることができる。
タグを制するものは音源管理を制し、ライブラリの構築を制する。
そしてライブラリの構築を制する者は、快適な音楽再生を手に入れる。
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