【ネットワークオーディオTips】レスポンス最速のコントロールアプリは?

 ※この記事のデータ等は2012年2月28日時点のものです

速さは大事である。
もちろん、ネットワークオーディオのコントロールアプリにおいても。
とはいえ比較しないことには速いか遅いかわからないのだが、私が知る限り、雑誌等においてもこの手の検証がまともにされているところは見たことがない。

というわけで、速度比較である。
 
 
 
●検証環境
無線LANルーター:Buffalo WZR-HP-G450H
NAS:QNAP TS-119 firmware version 3.6.0 Build 0210T
サーバーソフト:TwonkyServer version 6.0.38
レンダラー:MAJIK DS-I、foobar2000 Renderer(DiXiMで使用)
コントローラー:iPad2

●検証方法(画面は例としてChorusDS)

①アプリを起動(起動~レンダラーやサーバーを見つける時間も含む)
s_App再生画面 012
s_App再生画面 001
 
②TwonkyServerのナビゲーションツリーで『ジャンル/アルバム』を選択
s_App再生画面 002
 
 
③ジャンルで『Game』を選択
s_App再生画面 003
 
 
④45枚のアルバムのアルバムアートが“全て表示された状態”で、アルバムを一枚選択
s_App再生画面 004
 
※ ↓が“全ては表示されていない”状態である
s_App再生画面 005
 
 
⑤アルバム内の全曲をプレイリストに入れ、再生
s_App再生画面 007
 
 
⑥音が出たのを確認してプレイリストをクリア
s_App再生画面 011
 
 
⑦『ジャンル/アルバム』まで戻り、今度は『Progressive Rock』を選択
s_App再生画面 003
 
 
⑧今度は51枚のアルバムアートが全て表示された状態で、アルバムを一枚選択
s_App再生画面 006
 
 
⑨アルバム内の全曲をプレイリストに入れ、再生
s_App再生画面 010
 
 
⑩音が出たのを確認してプレイリストをクリア
 プレイリストから曲が消え、音が止まったのを確認して終了

日常的に行っているコントロールアプリの操作というものを考えて、以上の手順を三回、その都度ホームボタン2回押しからアプリを終了させたうえで行う。
ちなみに今回検証した6種類のアプリは、既に私が散々使い倒して“使い慣れた”ものである。
 
 
 
●この検証でわかること
速度!! なのだが、より詳細には以下の要素である。
・レスポンス――ボタンを押しても反応が遅ければ当然時間がかかる
・インターフェースの洗練度――指の運びが面倒だともちろん時間がかかる
・操作の簡潔さ――再生までの手順が多かったりするとやっぱり時間がかかる
・選曲時のアルバムアート表示の速さ――表示にもたつくとずいぶん時間がかかる
 
 
 
●この検証ではわからないこと
・インターフェースに表示される情報量
・リストのスクロールのなめらかさ
・再生時のアルバムアートの表示バリエーション
・アプリそれぞれの面白機能
・もっとこう微妙な感覚
 
この辺は個別詳細をお待ちいただきたい。
 
 
 
●検証結果  ※2012/2/28更新・eLyric追加

『Chorus DS』
1回目:32.0秒
2回目:29.3秒
3回目:30.8秒
平均:30.7秒
フリーズ等無し

『SongBook Lite』
1回目:30.7秒
2回目:23.6秒
3回目:21.4秒
平均:25.2秒
NASを発見しなかったことが1回あり

『SongBook’11 UPnP』
1回目:67.9秒
2回目:63.7秒
3回目:64.2秒
平均:65.3秒
起動画面でのフリーズが2回

『Kinsky』
1回目:35.8秒
2回目:40.5秒
3回目:33.9秒
平均:36.7秒
フリーズ等無し

『DiXiM DMC』
1回目:38.4秒
2回目:37.4秒
3回目:40.4秒
平均:38.7秒
フリーズ等無し

『PlugPlayer』
1回目:50.0秒
2回目:36.0秒
3回目:40.7秒
平均:42.2秒
フリーズ等無し

『eLyric』
1回目:34.4秒
2回目:33.9秒
3回目:33.2秒
平均:33.8秒
フリーズ等無し
 
 
1位:『SongBook Lite』 25.2秒
2位:『ChorusDS』 30.7秒
3位:『eLyric』 33.8秒
4位:『Kinsky』 36.7秒
5位:『DiXiM DMC』 38.7秒
6位:『PlugPlayer』 42.2秒
7位:『SongBook’11 UPnP』 65.3秒
という結果になった。
微妙な差と言われてしまえばそれまでだが、実際に使う感覚的には大差である。

SongBook Liteが最速ぶっちぎり、ChorusDSがそれに続き、伏兵?eLyricが好タイムを出し、ちょっと遅れてKinskyにDiXiM DMCにPlugPlayer、そしてSongBook’11 UPnPが周回遅れで最下位。
SongBook LiteとPlugPlayerの1回目と2回目で結構な差があるのは、2回目以降ではサーバーとレンダラーにTwonkyServerとMAJIK DS-Iが初期状態で選択されていたため。アプリをきちんと終了させているにも関わらず、どうやら覚えているらしい。ということは、SongBook Liteの平均速度はさらに3秒程度早くなる可能性もある。SongBook LiteのLiteは“動作が軽い”のLiteである。NASが見つからないことが1回あったが、こんなことは滅多に起きないため、非DSユーザーにとっては福音となるだろう。
しかしSongBook’11 UPnPの重さには参った。サーバーとレンダラーを見つけて以降も煩雑と言えば煩雑なのだが、まず見つけるまでに時間がかかりすぎる。そして落ちる。しかも高い。困ったものである。
 
 
 
 
この検証結果はあくまで上に示した私の環境下でのものであって、機材やソフトの組み合わせによっては全く異なる結果となることも大いにありうる。そのことに注意されたい。
ただしひとつ言えることは、今回のDSを使った検証結果は、アプリにとっておそらくベストケースであるということだ。国産のネットワークプレーヤーやネットワーク対応AVアンプでChorusDS以外のアプリを試したこともあるが、私が試した限りでは間違いなく、“こんなに早く動かない”。
ちなみにDS以外の、例えば国産ネットワークプレーヤーの純正アプリの検証は残念ながら手元に実機が無いので不可能である。
 
 

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