内容が内容なので、ずっと書こうか書くまいか迷っていたのだが、いつかは誰かが書くだろうし、先んじて書いておくことにする。
「ユーザーの音源そのものには一切手を加えない」というのが、当初からRoonの大原則だった。
Roonはインポートした音源に自身のデータベースから膨大な情報(メタデータ)を付加し、Roonの中で整然とライブラリを構築する。しかしRoonから離れた途端、音源にかかった魔法は解ける。はじめから破綻していたライブラリはその通りの姿を晒し、ユーザーが心を込めて構築したライブラリは歪められることなく手元に残る。
管理の行き届いていないライブラリでも、Roonの中でならそれなりに美しく生まれ変わって音楽の海となる。そしてこの機能/サービスを提供するからこそ、Roonはユーザーを引き留められるという仕組みである。
ところがどっこい。
一カ月ほど前、あることに気付いた。
以前とは多少デザインが変わっているものの、Roonのアーティストページとアルバムページのオプションメニューには「Export」という項目がある。
で、この「Export」は「Export To Excel(XLS)」――音源に関する諸々の情報をエクセルファイルで出力するという何の意味があるのかよくわからない機能に繋がっていた。
しかしふと気付けば、いつの間にか(あるいは単に私が見落としていただけか?)「Export To Folder」という怪しげな項目が増えていた。アップデートの履歴を調べるのが面倒なので、厳密にいつからなのかは把握していないが……
(※「Export To Folder」が機能するのはあくまで手持ちの音源のみ)
何だこりゃと思って出力先をデスクトップにし、「Export」を押してみる。
すると……
「久石譲」の「もののけ姫」は、Roonに突っ込むと、「Joe Hisaishi」の「Princess Mononoke」に変貌する素敵な音源である。
そして「Export」によって生じた音源の中身――タグを見てみると……
なんてこったい、アルバムアートを含むRoon上のメタデータの一部をタグに上書きした音源が新たに出力されているではないか!
契約の切れ目がデータの切れ目になっているはずのRoonで、こんなことが出来てしまっていいのだろうか。
それ以前に、ユーザーの音源に手を加えるなんて恐ろしいことを……いや、ユーザー自身が余計な操作をしなければいいだけの話なので、「ユーザーの音源そのものには一切手を加えない」という大原則は一応守られていると言えるが……
ん?
待てよ……
Roonの杖を一振り。
……
…
なお、Roonはアーティストページからも「Export」が可能である。
すると……
……
…
恐ろしいのでこれ以上は書かないでおく。