Dynaudioは雪のようなスピーカーだ。
一音一音の背後に感じる冷気。
一音一音の隙間に感じる翳り。
静寂が染み渡る。
さすがは雪国で作られたスピーカーとでも言うべきか。しかし、それだけではない。
鮮やかなのだ。
5年半ほど前、夢にまで見たDynaudio Sapphireを手に入れた瞬間、私のオーディオ趣味における「音質」の探求は、ひとつのゴールを迎えてしまった。
それからというもの、Sapphireは常に私のシステムの主役で在り続けた。LUMIN A1を導入し、canarino Filsを導入し、fidata HFAS1-XS20を導入し、DSP-Doradoを導入し、ファイル再生/ネットワークオーディオに深く注力してもなお、Panasonic DMP-UB90を導入し、LG OLED55B6Pを導入し、4K/HDRにくわえてオブジェクトオーディオ環境を整備してもなお、Sapphireは常に私のシステムの主役で在り続けた。
とはいいつつ、ここ数年は肥大化するファイル再生/ネットワークオーディオ関連機器に比べて、直接的にSapphireに繋がるアンプ関連に手を加えてこなかったことも事実である。もっとも、特に不満もないので結局何かをするまで到らなかった、と言った方が正確だが。
さて、2017年はLUMIN A1からSFORZATO DSP-Doradoという、2014年以来およそ3年半ぶりにプレーヤーを刷新した年となった。
そして今思えば、同じく2014年にはアンプをNmode X-PW10からNmode X-PM7に入れ替えた。
何か大きな機器の入れ替えをすると連鎖的に色々入れ替えたくなるのだろうか、DSP-Doradoの導入を機にアンプ替えたい発作が急激に強まり、結果的に2017年も同じことが起こった。
年末の魔物。
SOULNOTE A-2。
Acoustic Reality ear202-Refから数えれば、なんと約10年ぶりのアナログアンプへの回帰である。別にデジタルアンプが好きなわけでもアナログアンプが嫌いなわけでもないが、気付けばこういうことになっていた。
現状、私がアンプに求めるのは、ひとえに「Dynaudio Sapphireを気持ちよく鳴らしてくれること」だ。
発作的に、しかも実物を見も聴きもせずに買ったという経緯についてはおおいに反省せざるを得ないが(一応SOULNOTEというブランドに対する大きな信頼はあったのだ)、少なくともSapphireから出てくる音に裏切られることはなかった。
近いうちにレビューする。
【レビュー】SOULNOTE A-2 続・音質編 ― 純正ボード「SSB-1」と純正ケーブル「SBC-1」
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