UPnP/DLNAとがどういうものなのかについては、前回の記事で概要を示した。
この記事では、DLNAにおける「デバイスクラス」について説明していく。ちなみに前回書いた通りDLNA≒UPnPなので、今回の内容はいわゆる「UPnP対応メディアサーバー」とか「UPnP対応プレーヤー」とか、そういったものにも共通する。
なお、ここではあくまでネットワークオーディオに関係するデバイスクラスを扱う。
DLNAの「デバイスクラス」とは、ネットワーク/システムの中で、それぞれの機器が担う役割を指す。
デバイスクラスはDLNAのバージョンによって、以下のものが定義されている。
○DLNA1.0
・DMS――Digital Media Server
音源の保存と配信を担う。
・DMP――Digital Media Player
音源の再生と、音楽再生における各種コントロールを担う。
DLNA1.0のシステムを図に示すとこのようになる。
DMPは再生機能とコントロール機能の両方を備えているため、一台で音楽再生が可能であり、音源の保存と配信を担うDMSとあわせてDLNA1.0のシステムは2 Box Systemと呼ばれる。
この場合、音楽再生の操作はあくまでプレーヤー本体に付随するインターフェースやボタン類、リモコンによって行われる。
しかし極端な話、DLNA1.0の2 BOX Systemはどうでもいい。
次のDLNA1.5で可能になる3 Box Systemの方が、ネットワークオーディオを理解するうえで遥かに重要である。
○DLNA1.5
上記に加えて以下の二つのデバイスクラスが増える。
・DMR――Digital Media Renderer
DMPからコントロールの機能を省き、音源の再生のみを行う。
・DMC――Digital Media Controller
DMPから独立してコントロールを行う。
DLNA1.5のシステムを図に示すとこのようになる。
DMPがDMRとDMC、すなわち『純粋な再生機能』と『純粋なコントロール機能』に分かれているため、DLNA1.5のシステムは3 Box Systemと呼ばれる。
このように、ネットワークオーディオにおいては、物理的にも機能的にも、いわゆる『プレーヤー』から『コントロール』を独立させることができる。
コレが超重要。
なぜ重要かは、【ネットワークオーディオの本質】を読むとわかる。
実際の機器との関係や、LAN接続など、より様々な要素を入れ込んだのが下図。
NASにせよプレーヤーにせよ、国内で売られている機器のほとんどはDLNA対応を謳っている。少々煩雑だが、これでイメージは掴めるはずだ。
そして、この3 Box Systemに着想を得て発展させた、より普遍的なネットワークオーディオの三要素が、『サーバー』・『プレーヤー』・『コントロール』である。
ちなみに、DLNAには「プッシュ再生」というシステムもある。
【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】