ひとつの時代が終わったようだ。
SongBook LiteもSongBook’11 UPnPも以前からApp Storeからダウンロードできなくなり、開発元のBookshelf Appsのページも完全に静止している。
かつてSongBook DSの名称で、LINN DSとの組み合わせにより『ネットワークオーディオで実現する快適な音楽再生』という夢を現実のものとした偉大なコントロールアプリ。
DS専用のコントロールアプリとしての地位はChorusDSに奪われた感があったが、すると今度はDS以外でも使用可能な汎用コントロールアプリとして華麗な転身を果たし、その価値を堅持し続けた。次々現れるネットワークオーディオプレーヤー、そして付随する悲惨で無惨な“純正”コントロールアプリを尻目に、SongBook Liteはネットワークオーディオの希望であり続けた。メーカー純正アプリの絶望的出来映えに涙したすべてのユーザーにとって、SongBook Liteは間違いなく希望だった。
SongBook Liteが消えても、残念ながら後釜を務められるレベルのアプリはない。
今のところKinskyがその地位に近いが、汎用アプリとして機能するとはいえ、KinskyはあくまでLINNが作っているアプリだ。今後LINN製品以外を締め出す可能性がないとは言えない。
メーカー純正アプリが死屍累々の現状では、優れたサードパーティー製の汎用アプリが絶対に必要だ。そうでなければ、『ネットワークオーディオで実現する快適な音楽再生』は絵に描いた餅になってしまう。
ネットワークオーディオプレーヤーを作っているすべてのメーカーが少なくともChorusDSに匹敵する出来のコントロールアプリを作ってくれさえすれば、こんな心配をする必要はない。
そして、実際に各メーカーがコントロールアプリの重要性を真に自覚し、真摯に良いものを研究し、ハリボテではない本物の快適さをユーザーに提供しようという姿勢を持つことこそ、ネットワークオーディオの可能性を大いに示したSongBookというアプリに対する手向けとなろう。
ありがとう、SongBook。
忘れまい。
それに、自前のアプリを作ることはなくなったとしても、今も色んなメーカーのアプリの中身として生き残ってるもんな。