Pachanko LabsはPCベースのミュージックサーバーやリニア電源など、主にファイル再生関連製品を手掛けるフランスのブランド。
同社のミュージックサーバー「Constellation」シリーズはどこかで見たようなデザインのWindowsベースの単体Roon Serverであり、シリーズの全モデルが"Diretta Host"に対応した。Direttaのサイトでも「Prima」にPachanko Labsが追加されている。
Diretta Hostとはすなわち「Direttaでの"出力"に対応」することを意味し、実際の機器としてはWindows PC(再生ソフト&ASIOドライバ込み)やfidata/SoundgenicがDiretta Hostであり、そこに今回Pachanko Labsが加わった。
これでPachanko Labsのミュージックサーバーは従来のUSBとRoon Ready/RAATにくわえて、「Direttaで出す」という選択肢を得たことになる。同一機器を使用した場合、USBで繋ぐよりもRoon Readyで繋ぐよりもDirettaで繋いだ方が明らかに高音質というのは私自身実感していることであり、Diretta Host対応で製品の魅力が増えることがあっても減ることはない。実際にPachanko LabsもDirettaの意義/効果を認めたからこそ対応したわけだ。
今まで「Direttaの"入力"に対応/Diretta Target」する製品に関しては少数ながら色々とあったのに対し、出力を担う製品の選択肢がほとんどなく、特に本格的なシステムにDirettaを導入するうえでこのことがハードルになってきた。ちなみにこれはRoon/Roon Readyが抱えているのと同様の問題でもある。
Pachanko Labs一社がDiretta Hostに対応したところで、Direttaを取り巻く「Direttaに対応する製品、特にDirettaで出力できるオーディオ機器があまりにも少なすぎる」という状況それ自体が大きく変わったわけではない。それでも、今までずっと停滞してきたこの状況にプラスの変化がもたらされたことは事実である。
Direttaの威力に感嘆し、当初から紹介してきた者として、Direttaにとって良い流れが継続することを期待している。