私の持論としては「そんなもん要らん」。
どれだけ立派なディスプレイが付いていたところで、現実的にスマホまたはタブレット+コントロールアプリしか使わない。視認性も情報量も操作性もアプリを用いたほうが格段に勝る。
どうしてもネットワークオーディオプレーヤーにディスプレイが欲しいなら、むしろ素直に映像出力を付けたほうがいいんじゃないか。
頑張って機器本体にささやかなサイズのディスプレイを載せるよりも、外部のディスプレイを使えるようにしたほうが遥かに効率がいいと思うんだがどうだろう。操作も選曲もディスプレイを見ながらしたいんでしょう? それなら画面がでかいことに越したことはない。
映像出力を付ければノイズの問題が出る? そんなことを言うなら、そもそも本体にディスプレイ(でかいうえにカラー)を載せたがっている時点でアウトな気が。
「本体に大きなサイズのカラーディスプレイを搭載しました! アルバムアートや音源の情報も表示できます!」と誇る一方で、より大サイズ・高解像度を実現可能な映像出力を持たせないのは片手落ちというか……何というか……
あくまで「ピュアオーディオ機器に映像出力などもってのほか! PCとは違うのだよPCとは!」という意識なのだろうか。いやだから本体に気合の入れたディスプレイを載せている時点で……
どのみち3インチや4インチ程度のディスプレイを載せられたところで、視聴位置からは精々再生中の曲名を確認する程度にしか役に立たない。
ネットワークオーディオの真価たる「居ながらにしてすべてを見、すべてを操ることで得られる、音楽再生における筆舌にしがたい快適さ」は、どう頑張ってもプレーヤー本体のディスプレイでは実現できず、独立したコントロール端末を使う必要がある。
ちなみにかのMcIntoshはMB100という映像出力を持った製品を出している。
これくらい潔くなれればいいのに。
ディスクドライブを積み、リッピングまで本体で完結することを謳う製品であれば、そのための操作画面としてディスプレイを持つ意味はあるだろう。それでも、やっぱりより大きな画面が使えるに越したことはない。
そういう意味では、こんな製品も素敵だ。
結局どちらもコントロールアプリでしか使わないだろうけど。
ネットワークオーディオにおいて、コントロールはプレーヤーから独立している。
プレーヤーのハードウェアに、コントロールのための要素は必要ない。操作ボタンもディスプレイもいらないのだ。
それゆえに、ネットワークオーディオプレーヤーの理想形は「単なる金属の箱」となる。
手で触れる余地のない金属の箱と対峙した時に不安なのはわかる。「一体どうすれば使えるんだ」という不安。「選曲も操作も独立したコントロール端末を使う」という答えがとっくにあるにしても、やはり不安なものは不安なのだ。究極を目指すクラスのネットワークオーディオプレーヤーにさえ申し訳程度にディスプレイが搭載されているのは、実際に役に立つかどうかは別として、その不安を少しでも軽減するためだろう。一部の例外を除き、ハイエンドの領域もまだその不安と決別できていないようだ。
今後も当分この不安は続き、価格帯問わずディスプレイは搭載され続けるだろう。
もっとも、「見た目が豪華」というのはハイエンドな製品にとって大切な要素なので、そういう意味ではでかくて綺麗なディスプレイを載せるのは大ありなのかもしれないが。
むしろ、(ある程度)低価格なプレーヤーほど、ディスプレイなんかにコストをかけずに中身を充実させてほしい。
Olasonic NANO-NP1やBrightone BT-NMP-01などは良い意味で開き直った製品だ。
良く出来た(ここ重要)コントロールアプリがあれば、機器本体にディスプレイなんて要らないのである。
もちろん、オーディオPCにだってディスプレイを積む必要はない。外部に映像出力するか、あるいはネットワークオーディオプレーヤーのようにコントロールアプリを使えばいいだけだ。