Roon Readyとは何か

 「Roon Ready」とは、UPnP/DLNAOpenHomeとも違う、Roon独自のネットワーク伝送プロトコル(RAAT=Roon Advanced Audio Transport)に基づくネットワークオーディオのプラットフォームであり、同時に認証プログラムでもある。RoonをリリースしているRoon Labsが、製品のRoon Ready認証を行っている。

 「Roon Readyに対応する」とは、機能的には「ネットワーク経由でRoonのOutputとして使える」ということを意味する。

 ネットワークオーディオプレーヤーはRoon Readyに対応することにより、Roonからのデータを劣化なく、ネットワーク経由で受けられるようになる。
 音楽再生のユーザビリティはまったく同じ。違いは出力先の機器(Output)がUSB DACではなくネットワークオーディオプレーヤーになるというだけで、実際の操作においてユーザーが何かを気にする必要はない。

 つまりRoon Readyは、Roonならではの優れたユーザー・エクスペリエンスを、AirPlayとは異なり音質を担保したうえで、ネットワークオーディオプレーヤーでも実現するという点で大きな意味を持つ。また、ネットワークにより母艦となるPCとオーディオ機器を分離でき、それが再生音に寄与することも考えられる。

 なお、Roonのシステムで再生機能――「プレーヤー」を担っているのは「Core」であり、Roon ReadyのプレーヤーをRoonの「Output」として使う時は、単なる「ネットワーク接続のDAC」、つまりUSB DACならぬ「LAN DAC」として扱われる。そのため、Roon Readyに対応すれば、必ずしも機器側に再生機能を持たせる必要はない。
 とはいえ、「Roon Readyではあるが、それ自体でネットワークオーディオプレーヤーとしての機能は持たない」という製品はほぼ存在しない。「それ自体でネットワークオーディオプレーヤーとして機能し、Roon Readyに対応することでRoonのOutputとしても使える」製品が基本である。よって、DLNAもしくはOpenHomeとRoon Readyの両方に対応する製品が複数存在する。
 今後、RoonのOutputとしての使用を前提とした、再生機能を持たない純粋な「LAN DAC」という製品ジャンルが生まれる可能性もないではない。

 というわけで、私は「Roon Readyに対応し、RoonのOutputとして機能するネットワークオーディオプレーヤー」「Roon Readyプレーヤー」と表現している。
 
 Roon ReadyプレーヤーはCES2016の時点で既に対応を果たしたAURALiCを皮切りとして、様々なメーカーから続々登場予定

 私はネットワークオーディオを推進する者としてRoon、そしてRoon Readyの価値を大いに認め、伝えていきたいと思っている。
 一方で、今まで磨き上げられてきたOpenHomeのような従来のプラットフォームの価値を「なかったこと」にするつもりはない。

参照:ネットワークオーディオとOpenHomeとRoon Ready

※「Roon Readyであること」と、「Roonに対応すること」は同じ意味ではない。なぜなら、Roon ReadyプレーヤーがあるだけではRoonのシステムは成立せず、別にCore=Roon Serverが必要になるからだ。
 一方で、Coreが動く単体Roon Server製品であればそれ自体で出力(Output)を持つため、「Roon完全対応」を名乗ってもいい。すなわちRoon Serverとはそのまま、事実上のRoon Readyでもある。(この記事を参照)

 Roon Readyプレーヤー/Roon BridgeはRoon Server(Core)を必要とする一方で、Roon ServerはRoon Readyプレーヤー/Roon Bridgeを必ずしも必要としないことに注意が必要だ。

 ちなみに、「Roon Ready」という言葉はそれ自体で「Roon対応」という意味合いを持つが、単にそう言っただけでは前述したようなRoon Readyの実情は伝わらない。

 そこで、Roon Readyをネットワークオーディオのプラットフォームと捉え、「Roon Readyプレーヤーを導入するだけでRoonが使えるようになる」という誤解を避けるために、あえて私は「Roon Ready対応」というあまり響きの良くない表現を使っている。

 Roonそのものの仕組みやRoon Remoteについては以下の記事を参照。

Roonの「Core」・「Control」・「Output」

 Roon Serverについては以下の記事を参照。

Roon Serverの重要性――Roon Readyを本当に活かすために必要なもの