四年ほど前から、TuneBrowserというWindows用の再生ソフトがある。
TuneBrowserは半年ほど前にバージョン4.0.0になってOpenHomeに対応したということで、今さらながら紹介しようと思った次第。
TuneBrowserの設計思想等については以下のページに詳しい。
FLAC/MP3/DSD 管理・再生ソフト: TuneBrowser
ソフトのヘルプに「TuneBrowserは、ハードディスク上の音楽(Tune)ファイルを整理し、 ブラウズするためのツールです」と書かれているとおり、音源の高度な管理とブラウジングが特徴になっている。
再生機能も充実しており、DSDを含むハイレゾ音源の再生にも一通り対応している。私が分類するところの「ライブラリ統合型」再生ソフトというやつである。
フリー版と1620円のフル版が用意されており、フリー版は管理できる曲が500曲までとなっている。有料の再生ソフトとしては随分と安価な部類。
TuneBrowserは自ら「ブラウズするためのツール」と言うだけあって、ソフトのデザインはよく練られていると思う。
立ち位置的に似通っているJRiverと比べても、「ソフト本体」での見映えや再生操作性は上回っているように感じる。
が、JRiverのソフト本体での見た目の古臭さ/再生操作のしょぼさは、JRemoteを使えば全面的かつ発展的に解決するので、それ自体では問題にならない。何かしら設定をする時以外に、JRiver本体を触る必要はない。もしJRemoteが消滅して全部JRiver本体で操作する羽目になったら、きっと私はJRiverを見捨てる。
TuneBrowserは、たとえソフト本体の操作性が優れていたとしても、私がやりたいのはあくまでも【ネットワークオーディオ】なので、長らく興味の対象外にあった。
そしてJPLAYと同様に、OpenHome対応が使ってみるきっかけとなった。
なお、この記事中のTuneBrowserのバージョンは4.1.4を使っている。
2017/11/16現在の最新バージョンは4.2.1。
TuneBrowserのOpenHome対応を有効にするにはひと手間必要で、
「設定」
→「ネットワークの設定」
→「OpenHome対応を有効にする」・「LAN I/F」(選択)
これでTuneBrowserをOpenHome対応のコントロールアプリから操作可能になる。つまり、TuneBrowserの動くPCが事実上のネットワークオーディオプレーヤーになる。
アプリからTuneBrowserのライブラリをブラウズして、そのままTuneBrowserで再生するという格好。
TuneBrowserの広範な再生オプションがそのまま利用できるのはもちろん、
ナビゲーションツリー(TuneBrowserでは「ツリークエリ」という名称)の追加や編集も自由自在。
設定の自由度やタグの徹底的な活用という点で、TuneBrowserのライブラリ機能はJRiverやAsset UPnPと比べてもまったく見劣りしない。越えていると言ってもいい。
公式に対応が書かれているコントロールアプリはKazoo。
時折挙動が不安定になったり音源の表示にもたつきを感じたりもするが、大きな問題もなく操作可能だった。
安定性と速度は今後のアップデートで改善を期待したい。
【2019/06/15追記】
現在、バージョンアップを経てKazooだけでなくfidata Music Appも使えるようになっている。
TuneBrowserは初期設定でも特に不自由なく使える一方、ライブラリ機能・再生機能ともに突き詰めようと思えば恐ろしく広範かつ詳細な設定項目が用意されており、弄りたい人にとっては実に弄りがいのあるソフトである。
そんなソフトが、ネットワークオーディオの文脈で活用可能になったのだから、喜ばしいことこのうえない。