PCが本当の意味で「オーディオ機器」になる日
理想のオーディオ用PCを求めて ハード編
理想のオーディオ用PCを求めて ソフト編
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理想のオーディオ用PCを求めて ミュージックサーバー編
理想のオーディオ用PCを求めて 単体プレーヤー編
理想のオーディオ用PCを求めて 単体サーバー編
ないのなら つくってしまえ るーんさーばー
字余り。
RoonReadyだのRoonBridgeだのと浮かれるのは結構だが、それを本気でオーディオに活かしたいと思えば、オーディオ機器としての単体Roon Serverは必須である。
Roon Serverの重要性――RoonReadyを本当に活かすために必要なもの
その点、理想のオーディオ用PCとはまさしく理想のRoon Serverの器でもある。
一応この記事におけるRoon Server云々について確認すると、
・Roon Server
Roonの「Core」と「Output」を持ったソフトウェア・パッケージであり、「機能」そのもの。
大事なのはCore。Outputは別に……
・単体Roon Server
上記のRoon Serverが中で動き、Roon Serverとして機能するオーディオ機器。
こういう意味で使っている。
Roon Serverは製品ジャンルとして考えれば「ミュージックサーバー」に相当する。中でCoreが動き、ライブラリ機能と再生機能を持っているから。
そのため、別に数少ないRoonReadyプレーヤーを待つ必要もなく、USB DACと組み合わせればそれだけで完璧に機能する。RoonReadyプレーヤーだろうがUSB DACだろうが、Roonにしてみれば一様にOutputである。
さっそく音楽の海に漕ぎ出して浸って沈んで溺れよう。
で、音。
これがなかなか侮れない。
左右と奥行き方向の音場が異質なレベルで広々としており、空間の広さは今回試したソフトの中でも傑出している。
ただし、そのかわり全体的に音は引っ込む。前にぐいぐいと出てくる音ではない。JRiverとは好対照。
中高音にはさして特色を感じない一方で、低音は実に深く沈み、それでいて弾む。作為や演出だとしても、悪くない。
音楽の海をもたらす強力無比なライブラリ機能こそがRoonの本懐であると常々紹介してきたが、純粋に再生ソフトとして音質を考慮しても、Roonは高い実力を持っている。
ところで、現時点における数少ない単体Roon ServerであるAntipodes DX Music ServerとSoTM sMS-1000SQは「元からある製品にRoon Server(Core)をインストールした」ものである。
それに対し、EVOは言うなれば未だ製品としては世界に存在していない「最初からRoon Serverの器たるべくして誕生した単体Roon Server」である。すごい!
【理想のオーディオ用PCを求めて】canarino fils ― デジタル・ファイル再生の原器