今のところ、私が限られた時間と機材と投資額の中で実際に確認した、「DSDを配信可能なサーバーソフト」は以下の三つである。
・TwonkyMedia
・MinimServer
・JRiver Media Center
また、未確認ながら「ReadyNAS」シリーズの中の「MiniDLNA」もDSDを配信可能とのことである。
さて、LUMIN A1でのDSD再生にはMinimServerが必要不可欠とか、TS-119はDSDの配信ができないとか、そんな誤解が堂々と発信されているネットワークオーディオ界隈の昨今ではあるが、私としてはもっと可能性を広げていきたい。
というわけで、今回取り上げるのはfoobar2000である。
知ってのとおり、foobar2000はコンポーネントの追加により多くの機能を獲得できる。
しかも無料。
その中に、「UPnPサーバー」と「DSD対応」というものがある。
ここで当然のように考えるのは、「DSDに対応したfoobar2000は、DSD音源をネットワークで配信可能なのか?」ということ。
コメントに寄せられた情報ではどうやら出来ないらしいということだが、検証しないわけにはいくまい。
下準備として、
・foobar2000にUPnP対応コンポーネントをインストール
・foobar2000にDSD対応コンポーネントをインストール
前者については記事を作っているのでリンク先参照。
後者についてはYAMAHAがわかりやすいマニュアルを作ってくれている。多謝!
あとは当然ながらDSD音源も用意しよう。私は例によってアニソンオーディオにくっついてきた音源を使用している。光田康典かKOKIAのDSD音源が出ようものなら私も本気を出すのだが、まぁ無理か……
これが私のfoobar2000の図。そっけないことこの上なし。
ライブラリは【音源管理の精髄】第7章・実践編で作ったものに前述のアニソンオーディオの音源を加えたものである。
DSDをきちんと認識していることがわかる。
次に、「Streaming Profiles」→「Renderer Capabilities」を確認する。
あぁ、やはり192までなのか……と思いきや、
そして、LUMIN A1で再生してみる。
すると……
foobar2000 UPnP ServerでDSDを配信。
出来てしまった。
しかしこの直後(iPadの時間表示にも注目)、一旦LUMIN Appのプレイリスト消してまた再生をした時からDSDでの配信ができなくなり、WAVの192kHz/24bitに変換されるようになってしまった。
foobar2000の設定を確認してみるものの、上記のままで変わりなし。
原因不明。
LUMIN A1の本体ディスプレイの写真も撮っておらず後の祭り。
最初のLUMIN Appの表示は何かの間違いで、やはり、foobar2000 UPnP ServerではDSDの配信は出来ないのか……
そう思って数日後の今日、記事を書くにあたって、あらためてfoobar2000を立ち上げてLUMIN A1で再生してみると、
前回のように何度かプレイリストを消去し、あらためて再生というのを繰り返してみたが、きちんとDSDで配信されている。
考えられる仮説としては、foobar2000 UPnP Serverの設定変更が実際のストリーミングに反映されるまで何らかのタイムラグが存在するとか、そんなところだろうか。前回も、DSDが配信できたことに調子に乗って、即座に設定変更を色々かけて挙動の変化を確認しようとした記憶がある。
そして今度こそ、LUMIN A1の本体ディスプレイの写真も撮った。
いまいち釈然としない部分は残るが、結論。
少なくともLUMIN A1との組み合わせにおいて、foobar2000 UPnP ServerはDSDを配信可能である。
あと、「Streaming Profiles」の「Renderer Capabilities」次第では、DSDに対応していないネットワークオーディオプレーヤーでもDSDを(WAVに変換して)聴くということも可能である。
foobar2000、凄いねほんと。
ネットワークオーディオの可能性、少しは広がったかな?
最後に検証用として、私のfoobar2000の構成を以下に示す。
DSDを再生可能なネットワークオーディオプレーヤーを使っているユーザーはまだまだ少数とは思うが、是非試してみてもらいたい。