【レビュー】ISO Acoustics Aperta Aluminum

デスクトップオーディオにおけるスピーカーの設置(セッティング方法)を考えるhttps://audio-renaissance.com/know-how/desktop-audio-so-far https...

構造・仕様

 「Aperta Aluminum」はISO Acousticsの卓上用(と言っていいのかな?)スピーカースタンドで、価格はペアで23,000円ほど。また、色違いの「Aperta Black」、レギュラーモデルといえる「ISOスピーカースタンド」シリーズがある。

 ISOスピーカースタンドに対し、Aperta Aluminum/Blackは素材がアルミ削り出しになると共にサイズが決め打ちになっている。

 上下二つの層から成るスタンドであり、片側の支柱にあるダイアルを回すことで、最大で6度の傾斜が付けられる。

 この写真では見えないが、ダイヤルには2度・4度・6度を示す印が付けられており、調整は簡単に行える。スタンド本体も含めて、実に洗練された構造といえる。

 サイズは横幅155mm・奥行き191mm・高さ76mm(傾斜角度なし)で、重量は1本あたり620g。さすがはアルミ削り出しなだけあり、剛性感と適度な重みがありモノとしての質感も高い。

画像出典:ISO Acoustics HP掲載のPDF
https://www.electori.co.jp/isoacoustics/aperta.htm

運用

 Aperta Aluminumは接触部分がゴム系の素材となっており、機器を置いて荷重がかかると吸着するようになるため、かなり安定した設置が可能。例えば本機のサイズよりも二回りほど大きいスピーカーを乗せても、多少手が触れた程度ではぐらつくこともなく、安定感は維持される。

Persona BとISO Acoustics Aperta Aluminumのセットアップ

 むしろ、この「横幅155mm・奥行き191mm」というサイズが絶妙で、横幅20センチ×奥行き30センチ程度のそれなりに大きなブックシェルフスピーカーを置くと、見た目的にも実にしっくりくる。デスクトップ設置においては作業スペースもわずかながら増えることに繋がる。

 例えばParadigm Persona Bのような、「構造上底面をフルに使えない」スピーカーであっても使いやすいというサイズでもある。

Persona Bに対するほぼ唯一の不満、底面のありがた迷惑なくぼみのせいでインシュレーター等の使用が著しく制限される
(付属のいかにも取って付けたようなパッドをくぼみにはめろと?)

 さらに、スタンドの角度も調整できるため、大きさの異なる様々なスピーカーで「スピーカーを耳に向ける」セッティングがしやすいという利点もある。なお、ISOスピーカースタンドシリーズは支柱を交換することでかなり高くすることも可能だ。

 
 ただし、(人によっては)大きな問題がある。

 設置面にゴム系の素材を使っている関係で、まず間違いなく「跡が付く」。机にも付くし、当然スピーカーにも付く。表面の色や素材次第で跡が気になる気にならないはあるにせよ、あらかじめ知っておいた方がいい。

後の祭り

 私は時既に遅しだった。開き直って「これで置く位置が一目でわかって便利だわ」と思うことにした。10年間大事に使ってきた机なんだがなあ。

音質

 テストはPersona Bを用いて行っている。例によって「そもそも真剣にデスクトップオーディオをやる気があるなら、スピーカーを机にベタ置きするなんてあり得ない」ということで、ベタ置きとの比較ではなく、Aperta Aluminumを使った状態から逆算する形での評価になる。

 まず、机をスピーカーに置くことに伴う振動はほとんど一掃され、机からも8センチ程度浮いているということで、天板からの反射の影響も確実に低減されている。ブランド名に違わぬ強力なアイソレーション効果といったところだ。

 結果的にスピーカーが音を出すうえで悪影響となる要素が取り除かれ、Persona Bがストレスを感じさせない音で鳴るようになる。この音抜けの良さ、ストレスのない音の広がりという点では、かつてのセットアップで机の奥のスタンドに置いていた時を上回っている。

 一方で、ゴム系の素材を使っているためか、ほんのわずかに音のエッジが丸くなるという印象も受ける。もっとも、これは「丸くなった」のではなく「歪みがなくなった」結果そう感じているだけの可能性もあり、いずれにしてもマイナス面として取り沙汰されるほどではない。

 KEF LS50 metaを使って「soundcare SuperSpike SS6/SS8」と比較した際の印象は、ストレスのない音の広がりでAperta Aluminum、中高域の実在感でSS8に分があるという印象だった。

まとめ

 以上の内容から、Aperta Aluminum/Blackは卓上スタンドに求められる機能と性能を網羅的に備えた、デスクトップオーディオにうってつけの製品といえる。それでいて価格も決して効果ではなく、さらなるサイズの柔軟性と低価格を実現するISOスピーカースタンドシリーズもラインナップされている。

 Aperta Aluminum/Blackと同サイズの「ISO-155」の価格は12,000円程度であり、つまり「soundcare SuperSpike SS6/SS8」とほぼ同じ投資で、優れた卓上スタンドが手に入ることを意味する。

 また、本機は設置する機器の側にねじ穴等を必要とせず、汎用性の高さもまた魅力と言える。特化による最適化を求めるなら他の選択肢もあるだろうが、やはり多くの製品と組み合わせて安定して使えるという利点は大きく、私もデスクトップシステムにおいてリファレンスのスタンドとして使用中である。机だけでなく、テレビボードにスピーカーを置く際に使うというのもかなり有効だろう。「設置に際してあまりアレコレと考える必要なく、それでいてスピーカーの能力をしっかり引き出せる」というのは素直に素晴らしい。

 結論として、デスクトップオーディオでスピーカーの設置で悩んだら、「とりあえずコレを使っておけば間違いない」というレベルのスタンドだと言っても過言ではない。

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