天井に地獄の釜が開いたような光景を投射したり、個体差によって近くを歩くだけで天板が鳴動したり、がっちりしたラックに入れられた途端に即死したり、ファンヒーターの電源ケーブルが刺さっているだけでブウウウウウンとトランスが唸って雪国の冬のオーディオを過酷にしたり、それなりに空間のあるラックなら大丈夫だろうと思ったらわずか一カ月で脱出したり、カバにスパイクをぶっ刺して浮遊したりする、とっても面白い善悪の彼岸で鮮烈な音を聴かせるアンプである。
そんなA-2との関係に決着を付けるべく、こんなものを用意した。
サンシャインの純マグネシウムスパイク受け「S1」である。
カバ材にめりっとスパイクを食い込ませてもうそれで終わりじゃなかったのか、という話だが、A-2があんまりにも打てば響いて(いろんな意味で)面白いもんで、つい。
某氏とA-2にとって理想のスパイク受けについてあだのこだのと話すうちに「マグネシウムとかいいんじゃね?」という流れになり、「マグネシウムといえば」ということで、サンシャインの製品に白羽の矢が立った。
さっそく三点支持でスパイク受けを設置。
カバにスパイクがめり込んでいた分と合わせて、約1センチほど、さらにA-2が浮く。
で、肝心の音だが……
歴然たる変化。
低音が見事に沈み、解像感が際立ち、それでいて音の感触は滑らかになった。
副作用はない。
純マグネシウムスパイク受けによって、今までA-2に対して行ってきたいろんなことのすべてがカチカチカチカチと上手い具合に噛み合ったような、今までの変化がすべてプラス方面に整ったような、そんな印象がある。
「設置」関連では、かつてSapphireの足元にブビンガのボードを導入した時以来の衝撃である。
はっきり言って、現在のシステムで使っているすべてのスパイク受けを純マグネシウムに換えたくなった。
SOULNOTE A-2は、樺(バーチ)で浮かせてマグネシウムで受ける。
ここに到るまで一年かかったが、これだ。
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