せっかく、「さらなるサラウンド体験のために天井にスピーカーを付ける」なんて狂気の沙汰にまで踏み込んだのだ。
オブジェクトオーディオにはトップスピーカーの活用も含めて、従来のチャンネルベースの音響とは一線を画した定位感・移動感・包囲感を期待したい。
しかし現実には、オブジェクトベースであることは、それを収録するパッケージソフトの音質やそれを再生可能なシステムの音質を担保するものではない。
というわけで、この記事では現時点で「これがオブジェクトオーディオだ!」と実感するに足るタイトルを10本紹介する。どんなものかはリンク先を参照。
「本当にトップスピーカーは鳴ってるのか?」と耳を近づけて確認してもらっても構わない。現に私自身、BD/UHD BDレビューにおける「トップスピーカーの活用」は、トップスピーカー以外の全チャンネルをオフにし、トップスピーカーだけを鳴らす検証を行ったうえで評価している。
・『ピクセル』 Dolby Atmos
・『アメイジング・スパイダーマン2』 Dolby Atmos
・『ターミネーター:新起動/ジェニシス』 Dolby Atmos
・『バーニング・オーシャン』 Dolby Atmos
・『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』 Dolby Atmos
・『X-MEN: アポカリプス』 Dolby Atmos
・『トランスフォーマー/最後の騎士王』 Dolby Atmos
・『スターシップ・トゥルーパーズ』 Dolby Atmos
・『ハクソー・リッジ』 Dolby Atmos
・『マトリックス』三部作 Dolby Atmos
【2017/12/11】
『ブレードランナー』 → 『トランスフォーマー/最後の騎士王』
【2018/12/29】
『バトルシップ』 → 『マトリックス』三部作
「頑張って天井にスピーカーを付けたはいいが、ちゃんと活用されてるのか……?」と思った時は、ぜひこれらのタイトルを観てもらいたい。
ただ実際のところ、ここで紹介したのは「オブジェクト以前、そもそもの時点で高品質な音響」ばかり。よって、オブジェクトオーディオの再生に対応しない従来のチャンネルベースのシステムであっても、傑出した音を楽しめることは間違いない。
最後に一言。
オブジェクトオーディオは良い。
しかしそれは、「マルチチャンネル・サラウンド」における最後の隠し味であって、入り口ではない。
天井にスピーカーを取り付ける前にやるべきことは腐るほどある。