【レビュー】FX-AUDIO- FX-D03J+ GAME edition - PS5/SwitchのUSB端子から同軸/光デジタル出力を取り出せるUSB DDC

 現行世代のゲーム機、PS5、Switch、XBOX Series XのAV出力はHDMIに集約されている。

 世の中の大多数のユーザーはゲーム機をテレビに繋いでおしまいなので、ゲーム機の出力がHDMIオンリーでも特に困ることはない。

 ゲームの音を本格的に楽しもう思い、AVアンプを導入する場合も、接続は基本的にHDMIで行うので、やはりゲーム機の出力がHDMIオンリーでも特に困ることはない。

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 AVアンプを導入してマルチチャンネル・サラウンドを組むのは難しいな、2chステレオでじゅうぶんだな……という場合も、昨今のテレビにはHDMI ARCがあるし、さらにたいていのテレビは音声出力として光デジタル端子を備えており、オーディオ機器との接続に支障はないので、ここでもゲーム機の出力がHDMIオンリーでも特に困ることはない。

 
 それでもなお、困る場合もある。

HDMI出力オンリーで困る場合と、取り得る対処法

 ゲーム機の出力がHDMIオンリーで困る場合があるとすれば、それは「デスクトップ環境」にゲーム機もあり、「HDMI ARCや光デジタル音声出力を持たないモニター/ディスプレイ」を使っていて、そのうえで「2chのオーディオシステムとゲーム機を繋ぎたい」という場合だと思われる。一応、PC用のディスプレイは3.5mmヘッドホン出力も持ち、それを使って無理やりシステムと接続することもできるが、クオリティを考えると……やはりデジタル出力でDACに繋ぎたい。

 はたしてこういうケースが現実にどの程度あるのかは未知数だが、ゲームはあくまでゲーム機がメインという人も多いはずで、需要自体はじゅうぶんに考えられる。

 この要求に応えるためには、要はゲーム機からどうにかしてHDMI以外の音声出力を取り出せれば済む。

 今までだと、HDMI音声分離器というジャンルの製品があり、それで同軸/光デジタル/アナログ3.5mm出力等を取り出すことができた。

こういうやつ

 しかし、この手の製品はHDMIケーブルをもう一本用意する必要があるし、HDMIのバージョンやら相性やら、PS5/XBOX Series Xになれば4K120fpsはどうするんだとか、少なからぬ問題や面倒事も孕んでいる。

 
 もっと楽に、最新のゲーム機からHDMI以外の音声出力を取り出せないものか……

 そんななか、そのものずばりな製品が登場した。

ゲーム機対応のUSB接続DDC FX-AUDIO- 『FX-D03J+ GAME edition』を新発売

 そうそう、こういうのでいいんだよこういうので。XBOXはスルーされてしまっているが、日本での普及状況を考えれば致し方なしか。

 というわけで、さっそく買って試してみた。Amazonでの購入価格は4,480円。これなら投資として大アリだ。

FX-AUDIO- FX-D03J+ GAME edition

 実物は小さな黒い箱である。

 印字の向きの左側にゲーム機と接続するUSB端子、右側に同軸/光デジタル出力がある。

 使い方は、ゲーム機のUSB端子を本機と繋いで、本機のデジタル出力をDACと繋ぐだけ。バスパワー駆動なので電源も要らない。動作時はUSB側のインジケーターが発光する。

組み合わせたDACは試聴機をお借りしているiFi audio ZEN One Signature

 ちなみにUSBケーブルやデジタルケーブルは付属しないので、自分で用意する必要がある。余っていたテキトーな長さの細いUSBケーブルでも動作に問題はなかった。

PS5との組み合わせ

 基本的に接続すれば勝手に認識して使えるようになる。

 一応「設定」→「サウンド」でも確認しておこう。FX-AUDIO- FX-D03J+は「USBヘッドフォン」として認識されるようだ。

 「音量」から「ヘッドホン」の音量を最大に合わせないと、DACへの出力の時点で音量が小さくなってしまうので要注意。

 ちなみに、FX-AUDIO- FX-D03J+はPS5からするとUSBヘッドホン扱いということで、PS5の誇る「3Dオーディオ」も利用できる。

 スピーカーを使う場合はともかく、ヘッドホンを使うなら効果はそれなりに実感できよう。

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Switchとの組み合わせ

 Switchも接続すれば勝手に認識して使えるようになる。画面左上に表示が出る。

遅延と音質

 ゲームプレイにおいて音声の遅延があると大問題だが、とりあえずFX-AUDIO- FX-D03J+からの音声出力でプレイに支障をきたすような遅延は感じなかった。PS5でNetflixを見ても、映像と音声のずれを感じることはなかった。

 音質については……接続するDAC以降がどんなシステムか、という方が遥かに遥かに遥かに大切なので、本機単独で音質云々を言っても仕方がない。少なくとも、DACを経由してアンプに繋いだ方が、テレビやモニターのヘッドホン出力からアンプに繋ぐよりはずっといい。

 大切なのは、本機を使うことで、HDMIやテレビの音声出力に頼ることなくPS5/Switchを本格的なオーディオシステムと接続可能になる、ということだ。ボリューム可変出力が可能なDACを使えばアクティブスピーカーと組み合わせることも容易だし、アンプを必要とするようなハイエンドヘッドホンで楽しむのもいい。可能性は大きく広がる。

まとめ

 ゲームの音を楽しむシステム、ゲームシアターの形はひとつではない。

 本格的なマルチチャンネル・サラウンドのホームシアターを作るもよし、デスクトップ環境で2chオーディオのシステムにゲーム機を統合するもよし。

 FX-AUDIO- FX-D03J+ GAME editionは必ずしもすべての人に有用ではないが、必要とする人にとってはおおいに役立つ製品である。

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