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構造・仕様
soundcare SuperSpike SS6/SS8はねじ込み式のスパイクで、「SS6」がM6、「SS8」がM8のねじ径となっている。
SuperSpike SS6/SS8の最大の特徴は、ABS樹脂製のハウジングによって「スパイクとスパイク受けが一体化した」構造になっていること。
この構造により、機器にスパイクを付けてから、「置き場所に穴を開けないように慎重にスパイク受けに置く」という神経を使う作業が必要なくなる。
もうこれだけで機材を動かすのが死ぬほど楽になる。
白状すると、私がSS6/SS8を導入したのは別に音質目当てというわけではなく、「レビューのためにアレコレと機材を動かす必要があるリビングシステムにおいて、セッティングの手間を減らしたい」というある意味で不純な動機だった。結果として、その要求は完全に満たされた。
ちなみに上位の「ゴールド」モデルになると、ハウジングがポリカーボネイト製になるようだ。
SS6/SS8は6000円程度という実に手頃な価格設定だが、最適な効果を得るべく部位によって様々な金属を組み合わせているなど、安いからといって手を抜いている感は一切ない。
SS6/SS8は4個セットで、調整用ナットと底面に貼るフェルトパッド、写真には写っていないが板スパナが付属する。
製品ページに記載はないが、ねじの長さは雑な実測で20mm。SS6/SS8を機器に取り付ければ、30mm少々背が高くなることになる。これがまたちょうどいい感じの高さで、機器を設置面から「浮かす」ことによる効果も期待できる。
底面の仕上げはお世辞にも綺麗とは言えない……というかはっきり言って雑。設置面に傷が付くのも嫌なので、付属のフェルトパッドを貼るのが基本になると思われる。
運用
SS6/SS8は適合するねじ穴を持つ機器なら何にでも使える。もっとも、一体型構造によるセッティングのしやすさという利点を活かそうと思えば、やはりスピーカーやスピーカースタンドと組み合わせるのが好適だと思われる。
実際、私はParadigmのトールボーイ「Monitor SE 3000F」や、
TiGLONのスピーカースタンド「TIS70J」と組み合わせている。
また、底面に鬼目ナット/ねじ穴が仕込まれているブックシェルフスピーカーであれば、SS6/SS8を取り付けることで、「直接かつ安定して机に設置でき、スパイクの恩恵を受けられ、さらに傷も付かない」という素敵な運用が可能だ。
音質
SS6/SS8の音質を語ることはなかなか難しい。
というのも、私の環境では組み合わせている機器にとって、SS6/SS8は最初から「設置のデフォルト」になっているからだ。
私がSS6/SS8を組み合わせているMonitor SE 3000FもTIS70Jも、元々スパイクが付属する。
しかしその付属のスパイクをほとんど使うことなく最初からSS6/SS8と組み合わせて使っているため、「SS6/SS8単独の音」というのが判然としなくなっている。
それでも、SS6と組み合わせた状態のMonitor SE 3000F(本気のねじ径はM6である)はベタ置きやゴムパッドを使った際にありがちな鈍さや音抜けの悪さを感じさせることはないため、SS6がスパイク&スパイク受けに求められる効果を発揮していることは明らかである。
ただ、TIS70Jに関して言えば、付属のスパイクに同じくTiGLONのマグネシウムインシュレーター「M1」を組み合わせた方が、ストレスのない音の広がりや空気感の再現といった点で勝る。この辺は流石に純正組み合わせの妙と言える。
デスクトップオーディオにおいても事情は似たようなものだ。そもそも真剣にデスクトップオーディオをやる気があるなら、スピーカーを机にベタ置きするなんてあり得ないので、ベタ置きとの比較をしてもあまり意味がない。
そしてここでも、スピーカーをベタ置きした際に生じる机の振動や、机の音が乗っていると思われる濁った響きが気にならないという点から、SS6/SS8の効果は明らかである。私の手持ちのスピーカーでは、B&W 706S2にSS6、KEF LS50 metaにSS8が使えるが、どちらも同じ印象だった。
まとめ
圧倒的な使いやすさと確かな効果。そして左右ペアでも1万円少々で揃う(少なくともオーディオアクセサリーとしては)手頃な価格。
この記事でも書いたように、soundcare SuperSpike SS6/SS8は特に底面に鬼目ナット/ねじ穴が仕込まれているスピーカーに対して、「初めて試すインシュレーター」としておすすめできる。