第5回Audio Renaissance Online「本気のデスクトップオーディオ」

 

第5回Audio Renaissance Onlineの実施にあたって

 コロナ禍で停滞したオーディオのシーンを盛り上げるべく、「オンラインで開催するオーディオショウ」として始まったAudioRenaissance Online(AROn)は、今までに4回の実施を重ね、4K解像度での配信、ロスレス・ハイレゾ品質での配信、リアルタイム・ライブ配信を行うなど、「オンラインのオーディオイベント」としての可能性を常に切り拓いてきました。

【全日程終了】Audio Renaissance Online 11月14日(土)・15日(日) 10:00~20:00(両日)  Audio Renaissance Onlineは「オンラインで開催するオーディオショウ」です。 [...
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 一方、現在はコロナ禍も落ち着き、リアルのオーディオイベントも軒並み復活・再開したという状況であり、オンラインのオーディオのイベントはどうあるべきなのか、何ができるのかということを、あらためて主催者として考えることとなりました。

 結果として、定期的かつ大規模に開催する「リアルのショウやイベントの代替」から脱却し、「特定のテーマをピンポイントに扱う、時期を問わず機動的に実施するオンライン企画」へと、Audio Renaissance Onlineを再定義・再構築するという判断に到りました。

 Audio Renaissance Offline(AROff)を含む様々なリアルイベントと相互に補完するような企画が、新生Audio Renaissance Onlineの理想形です。

企画概要

新生Audio Renaissance Onlineは各回のテーマに沿った参加社のプレゼンテーションを空気録音とあわせて収録し、特定の日時にYouTubeで公開する形になります。
従来のストリーミングやライブ配信の形ではなく、各社同時の公開となります。

[公開日]
2023年7月8日(土)10:00

[公開場所]
YouTubeチャンネル「Audio Renaissance」

(この記事にもリンクを掲載します)

[参加社]
ファンダメンタル株式会社
株式会社リリック(Nmode)
TOP WING Cybersound Group
ディナウディオジャパン株式会社
株式会社トライオード
株式会社PDN
株式会社デンソーテン(ECLIPSE)

[協賛]
株式会社アコースティックラボ(撮影協力)

今回のテーマ:「本気のデスクトップオーディオ」

本気でデスクトップオーディオする/そもそもデスクトップオーディオとは何か 専用室を使うわけでなければ、一般的な居室/リビングルームに置くのとも違う、「机」を中心とするパーソナルな環境を想定する「デスクトップオ...

 時代に即したスタイルといえる「デスクトップオーディオ」が近年盛り上がりを見せている一方、肝心の業界側は、どれほどの実感と説得力をもってデスクトップオーディオを訴求できているのだろうか? デスクトップオーディオの前提となる「机」の存在を生活空間ではなく、単なる「置台」としか捉えていないのではないか? デスクトップオーディオのシステムを「ミニコンポの亜種」としか捉えていないのではないか?

 私が現状に対して抱いている、こうした懸念をもとにテーマを設定しました。それと同時に、例えばリアルのイベントでデスクトップオーディオのデモをしようと思っても、複数の机を並べるのでもない限り、多様なシステムを同時に提示するのは現実的に困難、という事情も考慮しました。

 機器のサイズやシステムの規模感が使えるスペースの範囲で許容し得るなら、金額の多寡は関係ない。デスクトップオーディオを立派なひとつのスタイルとして扱うのなら、「デスクトップオーディオなんて所詮こんなものだろう」などと、訴求する側が自ら枷をかけてはいけない

 机の存在とスペース上の制約を前提として受け入れたうえでなお、できる限りの手を尽くして楽しみを追求する。やるからには本気。そんな「本気のデスクトップオーディオ」というテーマで、集まった各社がプレゼンテーションを行います。

アコースティックラボ・蔵前モデルルームにて収録

 第5回AROnはアコースティックラボの蔵前モデルルームで各社の収録を行いました。

 「本気のデスクトップオーディオ」を体現し得る場として、150×90センチの机を用意。さらに(逆木が普段家で使用している)サイドテーブル的に使用可能なコンパクトラックを組み合わせ、この環境に各社が思い思いのシステムを構築しました。

基本となる机のセットアップ
アコースティックラボはオーディオ/シアタールームだけでなく各種スタジオの設計と施工も手掛けており、スタジオ環境を見慣れていることもあって、デスクトップオーディオは目新しいものではなく、むしろ「当然のもの」として受け入れられるスタイルとのこと

空気録音について

 第5回AROnでは空気録音用のリファレンス音源として、先日リリースされたばかりの楽曲『白いノートブック』を使用しています(リリースに先駆けて収録時に使用)。

KOKIA『白いノートブック』リリース - 空気録音に利用可能な音源を制作しましたビクターエンタテインメント KOKIAオフィシャルページ ストリーミングサービス/ダウンロード販売サイト一覧 ■ハイレゾ対応サー...
【楽曲制作ドキュメント】KOKIA『白いノートブック』が出来るまで 2023年6月28日にリリースされたKOKIAの最新曲『白いノートブック』。 https://audio-renaiss...

 録音用マイクにはAKGの「C451B」(ステレオペア)、オーディオIFにはRMEの「Babyface Pro FS」を使用。マイクのセッティングは「机に対してゆったりと椅子に座った際の頭の位置」を基準としました。

各社の内容

Fundamental & Nmode

①奥行の小さいフルサイズコンポーネントを無理なく机のサイドに置き、CDも楽しめるシステム
Fundamental SM10Z
Nmode X-CD5
Nmode X-PM5

②スピーカーとアンプに同社のフラグシップ製品を組み合わせる「本気」のシステム
Fundamental RM10Z × ST10(スピーカースタンド)
Nmode X-CD5
Fundamental PA10



TOP WING Cybersound Group

・前段機器
iFi audio ZEN Stream
iFi audio NEO Stream
iFi audio NEO iDSD
Volumio Rivo
Volumio Primo
Volumio Integro
XI Audio K-DAC

・スピーカー
Sonus faber Lumina I
TANNOY GOLD 8

以上の機器の様々な組み合わせ



ディナウディオジャパン

①Dynaudioのブックシェルフ2機種とAtollのアンプ2機種を組み合わせ、音の違いを聴く
Dynaudio Emit 10
Dynaudio Special Forty
Atoll Mini Series M100・HD120・MA100
Atoll IN200SE

②Dynaudioのアクティブスピーカー「Focus 10」をUSB DACと組み合わせ、デスクトップで使用
Dynaudio Focus 10
Atoll HD120



トライオード

TRIODEの真空管アンプ「Ruby」と「Luminous84」をSpendorのブックシェルフ「A1」と組み合わせる、机の上で完結するサイズ感のシンプルなシステム



PDN with デンソーテン(ECLIPSE)

Bluesoundのネットワークプリメインアンプ「POWERNODE」とECLIPSEのブックシェルフ「TD307MK3」を組み合わせたシステム

POWERNODEのサブウーファー出力を活用し、ECLIPSEのサブウーファー「TD316SWMK2」をアドオンした際の比較も実施