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第5回Audio Renaissance Onlineの実施にあたって
コロナ禍で停滞したオーディオのシーンを盛り上げるべく、「オンラインで開催するオーディオショウ」として始まったAudioRenaissance Online(AROn)は、今までに4回の実施を重ね、4K解像度での配信、ロスレス・ハイレゾ品質での配信、リアルタイム・ライブ配信を行うなど、「オンラインのオーディオイベント」としての可能性を常に切り拓いてきました。
一方、現在はコロナ禍も落ち着き、リアルのオーディオイベントも軒並み復活・再開したという状況であり、オンラインのオーディオのイベントはどうあるべきなのか、何ができるのかということを、あらためて主催者として考えることとなりました。
結果として、定期的かつ大規模に開催する「リアルのショウやイベントの代替」から脱却し、「特定のテーマをピンポイントに扱う、時期を問わず機動的に実施するオンライン企画」へと、Audio Renaissance Onlineを再定義・再構築するという判断に到りました。
Audio Renaissance Offline(AROff)を含む様々なリアルイベントと相互に補完するような企画が、新生Audio Renaissance Onlineの理想形です。
企画概要
新生Audio Renaissance Onlineは各回のテーマに沿った参加社のプレゼンテーションを空気録音とあわせて収録し、特定の日時にYouTubeで公開する形になります。
従来のストリーミングやライブ配信の形ではなく、各社同時の公開となります。
[公開日]
2023年7月8日(土)10:00
[公開場所]
YouTubeチャンネル「Audio Renaissance」
(この記事にもリンクを掲載します)
[参加社]
ファンダメンタル株式会社
株式会社リリック(Nmode)
TOP WING Cybersound Group
ディナウディオジャパン株式会社
株式会社トライオード
株式会社PDN
株式会社デンソーテン(ECLIPSE)
[協賛]
株式会社アコースティックラボ(撮影協力)
今回のテーマ:「本気のデスクトップオーディオ」
時代に即したスタイルといえる「デスクトップオーディオ」が近年盛り上がりを見せている一方、肝心の業界側は、どれほどの実感と説得力をもってデスクトップオーディオを訴求できているのだろうか? デスクトップオーディオの前提となる「机」の存在を生活空間ではなく、単なる「置台」としか捉えていないのではないか? デスクトップオーディオのシステムを「ミニコンポの亜種」としか捉えていないのではないか?
私が現状に対して抱いている、こうした懸念をもとにテーマを設定しました。それと同時に、例えばリアルのイベントでデスクトップオーディオのデモをしようと思っても、複数の机を並べるのでもない限り、多様なシステムを同時に提示するのは現実的に困難、という事情も考慮しました。
機器のサイズやシステムの規模感が使えるスペースの範囲で許容し得るなら、金額の多寡は関係ない。デスクトップオーディオを立派なひとつのスタイルとして扱うのなら、「デスクトップオーディオなんて所詮こんなものだろう」などと、訴求する側が自ら枷をかけてはいけない。
机の存在とスペース上の制約を前提として受け入れたうえでなお、できる限りの手を尽くして楽しみを追求する。やるからには本気。そんな「本気のデスクトップオーディオ」というテーマで、集まった各社がプレゼンテーションを行います。
アコースティックラボ・蔵前モデルルームにて収録
第5回AROnはアコースティックラボの蔵前モデルルームで各社の収録を行いました。
「本気のデスクトップオーディオ」を体現し得る場として、150×90センチの机を用意。さらに(逆木が普段家で使用している)サイドテーブル的に使用可能なコンパクトラックを組み合わせ、この環境に各社が思い思いのシステムを構築しました。
空気録音について
第5回AROnでは空気録音用のリファレンス音源として、先日リリースされたばかりの楽曲『白いノートブック』を使用しています(リリースに先駆けて収録時に使用)。
録音用マイクにはAKGの「C451B」(ステレオペア)、オーディオIFにはRMEの「Babyface Pro FS」を使用。マイクのセッティングは「机に対してゆったりと椅子に座った際の頭の位置」を基準としました。
各社の内容
Fundamental & Nmode
①奥行の小さいフルサイズコンポーネントを無理なく机のサイドに置き、CDも楽しめるシステム
Fundamental SM10Z
Nmode X-CD5
Nmode X-PM5
②スピーカーとアンプに同社のフラグシップ製品を組み合わせる「本気」のシステム
Fundamental RM10Z × ST10(スピーカースタンド)
Nmode X-CD5
Fundamental PA10
TOP WING Cybersound Group
・前段機器
iFi audio ZEN Stream
iFi audio NEO Stream
iFi audio NEO iDSD
Volumio Rivo
Volumio Primo
Volumio Integro
XI Audio K-DAC
・スピーカー
Sonus faber Lumina I
TANNOY GOLD 8
以上の機器の様々な組み合わせ
ディナウディオジャパン
①Dynaudioのブックシェルフ2機種とAtollのアンプ2機種を組み合わせ、音の違いを聴く
Dynaudio Emit 10
Dynaudio Special Forty
Atoll Mini Series M100・HD120・MA100
Atoll IN200SE
②Dynaudioのアクティブスピーカー「Focus 10」をUSB DACと組み合わせ、デスクトップで使用
Dynaudio Focus 10
Atoll HD120
トライオード
TRIODEの真空管アンプ「Ruby」と「Luminous84」をSpendorのブックシェルフ「A1」と組み合わせる、机の上で完結するサイズ感のシンプルなシステム
PDN with デンソーテン(ECLIPSE)
Bluesoundのネットワークプリメインアンプ「POWERNODE」とECLIPSEのブックシェルフ「TD307MK3」を組み合わせたシステム
POWERNODEのサブウーファー出力を活用し、ECLIPSEのサブウーファー「TD316SWMK2」をアドオンした際の比較も実施