本日は2022年4月14日。
……
…………
ん?
そうなのだ。まさにちょうど10年前、Dynaudio Sapphireが我が家にやってきた。
夢見ていたスピーカーが手に入った。
その時点で、私のオーディオの夢は叶ってしまった。
Dynaudio Audience 122を鳴らしていた環境に放り込むだけで、想像を絶する音が出た。
あとはもう、ある意味ずっとボーナスステージのようなものだ。
私がネットワークオーディオにオーディオの未来を見出し、あれやこれやとうつつを抜かしていられるのも、時として重箱の隅をほじくっていられるのも、スピーカーという絶対的なクオリティの担保があればこそ。
近年ではParadigmのPersonaシリーズやDynaudioの新Confidenceシリーズを聴いてスピーカーの進化を目の当たりにし(Persona Bにいたっては導入もした)、いっときはスピーカーとしての性能面でSapphireの限界を感じたりもした。
しかしそんな感情も、SIMAUDIO MOON 740P / 860A v2の導入により、あらためてSapphireの潜在能力の高さを思い知ったことで彼方へ吹き飛んだ。
次にスピーカーを買うのはいつになるだろう。
とりあえず、Dynaudioの50周年記念モデルが出るくらいまでは、間違いなく紺碧の福音が続きそうだ。
SapphireはDynaudioの30周年モデル。
仮に50周年モデルが出るとすれば、2027年。
紺碧の福音は今なお続いている。
しかし、見境なく溢れ出すオーディオマニアとしての雑念も、Sapphireの音を聴けば、雪が融けるように流れ落ちる。
現在のシステムを作り上げたのは、他ならぬ自分自身の決断と選択なのだ。それを自分が愛さずして誰が愛するというのか。そして製品を迎え入れた瞬間の歓喜と、今この瞬間の音に感動することを忘れない限り、システムをアクセサリーで無闇に飾り立てる必要もない。オーディオ/ホームシアターに取り組むなかで「よかった」と思うことは数多くあるが、Sapphireと出会えたことはとびきりの僥倖だった。
価格の高い安いではない。性能の優劣でもない。心の底から惚れ込める製品に出会い、幸運にも迎え入れ、今でも好きでい続けられることが本当に嬉しいのだ。何を見ても、何を聴いても、何を感じても、何を思っても、我が家に戻ればSapphireがある。Sapphireを気持ちよく鳴らしてくれるシステムがある。
「我が家の音が一番良い」とは口が裂けても言えないが、「我が家の音が一番好き」とは胸を張って言えるのである。
10年の時を経て、過去最高の音でSapphireが鳴っている。