タグの編集と管理はめんどくさい。
確かにめんどくさい。
それは事実だ。
では、どれくらいめんどくさいのか。
どれくらい手間=時間がかかるのか。
そもそも、タグはいつ編集するべきなのか。
99%、リッピングの時である。
リッピングしてから「さぁタグを編集しましょう」というのは単なる二度手間。
リッピングの際、すなわちCDから音源を作る時にきちんとタグを編集して、アルバムアートを付加しておけば、あとは基本的に何もすることはない。
「管理」と言えば仰々しいが、精々後から「ありゃりゃ、先頭を大文字にするはずが小文字になってた」と気付いて直す程度。すぐに終わる。
こちらの記事も参照のこと。
というわけで、CDをリッピングして自分にとって完璧な音源に作り上げるまでどれくらい時間がかかるのか、実際に測ってみた。
CDのリッピングに関して、私が常日頃行っている流れは以下の通り。
①リッピング始める前にタグを確認して必要であれば修正する(=タグの編集)
②リッピングをする(dBpoweramp CD Ripperを使用)
③リッピングをしている間、CDのジャケットを1200DPIでスキャンする
④③で出来上がった画像を1536×1536(要は任意の解像度)にリサイズ/編集する
⑤④で出来上がった画像をリッピングした音源に貼り付ける(MediaMonkeyを使用)
⑥完成!
※アルバムアートの付与も広義の「タグの編集」に含まれるが、分かりやすくするために今回はあえて分けている。
そもそもアルバムアートに究極的なこだわりがなければ③④⑤の工程は必要ない。
今回のお相手はこれらのCD。
趣味が見えるが、音楽に貴賎なし。
ビバップのサントラは1・3・ベストしか持っていなかったし、ノエインはサントラだけで主題歌を持っていなかったのでいい機会だ。
シングル×2
アルバム×2
2枚組アルバム×1
以上、合計でCD6枚。
私にとって重要なタグは、大切な「アルバムタイトル」、絶対不可欠な「ジャンル」、アルバムのまとまりを保つための「アルバムアーティスト」、この三種類である。それ以外、例えば作曲家とかはわりどどうでもいい。明らかにおかしいだろ! という場合はさすがに直すが。
で、こうなる。
こだわるところはもちろんこだわるけれど、そうでないところは別にそのまんま、ソフト任せでいい。
ちなみにdBpoweramp CD Ripperの場合、操作画面上にある「アーティスト」「アルバムタイトル」「ジャンル」「アルバムアーティスト」「作曲家」については、アルバム内の全曲に対して一括で編集が利く。凝る人はアーティスト名や作曲家を一曲ずつきちんと入れていくだろう。それは個人の自由であり裁量である。
そしてリッピング開始。
きちんと「Accurate」になっていることに注目。
リッピングの最中もただ座して待っているわけではない。
その間にCDのジャケットをスキャンしてアルバムアートを作るのである。
ちなみにスキャンの様子についてはこの記事を参照。
リッピング自体は精々3分から4分もあれば終わる。
もちろん使っているドライブにもよるが。
こうしてリッピングして出来上がった音源に、自前で作ったアルバムアートを埋め込んで、CD一枚の音源化は完了である。
①②③④⑤⑥。
あとはこの流れを枚数ぶん繰り返すのみ。
実際にリッピングをしていると、色んなことが起きる。
自動的に持ってきてくれるアルバムアートの解像度がえらい低かったり、
(どのみち消して自前の画像を使うから関係ないけど)
おちゃめなdBpoweramp CD Ripperが『ノエイン』のオープニングのシングルに『キャシャーン Sins』のアルバムアートを見つけてきたりとか。
そんなこんなで、CD6枚のリッピングが完了。
MediaMonkeyからあらためてアルバムアートを付加して、自分のライブラリに迎え入れる音源として完成。
なお、今回はすべてのアルバムのすべての曲について、「Accurate」となった。
つまるところ「間違いなく精確にリッピングできました」という証明である。
6枚のアルバムをコントロールアプリから見るとこんな感じ。
音源の詳細。
アルバムアートもきちんと1536×1536で埋まっている。
そして、これが所要時間である。
写真を撮ったりスクリーンショットを撮ったりしながらだったので、実質22分ということにしてください。
CD6枚を音源として完全に仕上げるのに22分。
1枚につき3.7分。
このCD1枚につき3.7分という時間を、「こんなにかかるのか! やってられん!」と捉えるか、「あ、これなら……」と捉えるかは人それぞれ。
今までの経験上、収録時間の長短も含めて、リッピングそのものに平均して3分はかかると思っていい。
つまり、タグにこだわろうがWAVにしようがFLACにしようが何をしようが、CDを大元にしてデジタルファイルの音源を作るには必然的にリッピングという工程が発生するので、この3分という時間はどうしても必要になるということだ。
で、もちろん、この時間を「こんなにかかるのか! やってられん!」と捉え(以下略
そして、3分もあれば、CDジャケットを高解像度でスキャンしてリサイズするという工程は余裕でこなせる。となると、アルバムアートの画像を自前で作るのに要する時間は実質ゼロだ。リッピングの最中にやればいいのだから。
リッピングの最中にあれこれ作業すると出来上がったファイルの音質が云々、と言われるかもしれないが、現にリッピングした結果「Accurate」になっている、としか言いようがない。
今回、CD1枚につきかかった時間は3.7分。
私のようにアルバムアートにとことんこだわって、スキャン・画像編集・リッピング後にMediaMonkeyを使って画像の貼り付けをすべて行ったうえで、この時間である。
つまり、「タグの編集」にかかった時間は、CD1枚につき諸々込みでたかだか数十秒。感覚的にはあっという間だ。
そりゃそうだ。アルバムアートはさておき、実際のタグ編集なんて、意外といい加減なリッピングソフトにツッコミを入れるくらいで終わる。別に大したことなんてしていない。
結論。
リッピングの際、アルバムアートにとことんこだわったとしても、タグの編集は実質1分もあれば終わる。
例えばクラシックの音源などで、埋め込む情報にこだわればこだわるほど、編集時間は増える。
タグについてはリッピングソフトに全部お任せで、一切手を加えずにリッピングしたとしても、結局リッピングそれ自体で3分はかかる。
タグ編集にかかる時間は決してゼロではないし、塵も積もればなんとやら、CDも数百枚数千枚となれば膨大な時間となる。それは確かだ。
しかし、タグ編集――自分の意思を反映させるというプロセスを経ない限り、いつかは音源の集合体たるライブラリは破綻する。
最終的な判断は、あくまでユーザーひとりひとりに委ねられている。